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船乗りクプクプの冒険 (集英社文庫)

船乗りクプクプの冒険 (集英社文庫)

船乗りクプクプの冒険 (集英社文庫)

作家
北杜夫
出版社
集英社
発売日
2009-05-20
ISBN
9784087464412
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船乗りクプクプの冒険 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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扉のこちら側

初読。ハチャメチャな展開の中に、はっとさせられる一文。「利口になったりバカになったり、それが人間というものだよ」「わしたちはあんたたちが、土人をバカにしている精神が気にくわない。ハダカで暮らしている者を見ると、自分たちより劣った人種だときめこんでしまう」

2012/11/26

seraphim

初版が1977年の児童書。冒頭から驚きの展開。キタ・モリオ氏のそんな原稿を本にしちゃうなんて、出版社もそうとうオチャメだ。ネーミングセンスがデタラメで愉快。なんにもできなかった少年クプクプがどんどん成長していくのが良い。算数は苦手かもしれないけれど、クプクプ少年はけっこう博識だと思う。とても大変そうだから一緒に冒険したいとは思えないけれど、気のいい仲間達との船旅は見ていると楽しい。最後にたどり着いた島に住む人々の生き方はすごい。現代人への皮肉とも取れる。便利で楽なことに流されがちな自分を少し反省した。

2014/05/29

ゆう

少し古い作品だからか、言い回しが昔読んでた児童書とか教科書のようでした。でも、4ページしか書いてない小説の世界に入り込んでしまって船乗りになっちゃうっていうのは楽しめました。優しい言葉だけどどことなく厳しさがあります。プクプクと何度読んでしまったことか…。クプクプ、クプクプ。これは夏に読むといい作品です。

2013/07/26

きなこ

勉強嫌いの少年がふとしたことで物語の中に入り込んでしまいその主人公として個性豊かな仲間たちと航海をする話。何と言ってもキタ・モリオ氏には笑わされてしまった。ヌボーの「いやなことや苦しいことががまんできなければ一人まえの船乗りになれはいからな。いいかね、クプクプ、海は美しくやさしいときもあるが、とてもおそろしく冷たくなるときもある。おまえはだんだんと強くならなくちゃいけないんだよ」というセリフが好きだった。当たり前のことのようだけど私たちがつい忘れがちになってしまうことを思い出させてくれる本。

2013/08/08

K・M

『船乗りクプクプ』を読んだタローは本の中へ。同じく本の世界へ逃避した作者キタモリオ氏を追い求める冒険の旅が始まる‥。作者が本を2ページ書いた所で行き詰まり編集者から逃げるため物語世界へ逃げ込む斬新な展開。その書籍を購入した無垢な少年が見事に地雷を踏むという不条理。おそろしくゆるい冒険で登場人物もハチャメチャだがメタフィクションを巧みに使いこなし自虐センスもハイレベル、タローもしっかり成長を遂げる。無理やり児童書風に「書き上げました感」が逆に清々しい。大人も読める児童文学として一読の価値がある稀有な一冊だ。

2021/10/28

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