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父親 (集英社文庫)

父親 (集英社文庫)

父親 (集英社文庫)

作家
遠藤周作
出版社
集英社
発売日
2009-06-26
ISBN
9784087464528
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父親 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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優希

カトリックならではの「父親」像を見たようでした。時代を超えた普遍的な重みを感じます。ほろ苦い昭和が色鮮やかに描かれているように思いました。

2021/06/08

との@恥をかいて気分すっきり。

物語は戦中派(昭和1ケタ生まれ)の父親と、妻子ある男を好きになってしまった娘を中心に描かれる。同時に利益だけを求めるようになってしまった企業で仕事のあるべき姿を追う父の姿も同時平行で語られる。戦争で亡くした友がもし生き返ったら、自分のことをどう思うだろうか?恥ずべき姿は見せられない…。その思いから「けじめ」という言葉を使って、自分の振る舞いを振り返る主人公。一方で「時代が違う」と彼の言葉を受け止めようとはしない娘や部下。生きるとは、愛とは、働くとは…今だからこそ、問い返したい一冊。

2013/05/16

ROY

いわゆる不倫愛で傷つく娘と、もうけ主義と権力争いに敗れる父親。父親は娘の不倫をけじめがないと論難しながらも傷ついた娘を愛する・・・。いずれも己の信念を貫こうとして敗れますが、逆境に立ち向かう姿勢についても教えてくれます。けじめなどと言うと通俗的で、一時代昔のイメージを受けますが、読んでいて違和感は感じません。現代は臆病者、卑怯者、偽善者に事欠きませんが、己の信念を貫いても、家族を含む他者を傷つけるのであればけじめがないとされます。この小説は、けじめをつける生き方のすばらしさを教えてくれます。

2013/07/29

蛸墨雄

戦中派の父菊次の頑固さったら。遠藤氏の書く父親像、ビジネスマン、娘、母親、息子像それぞれが昭和40年代の理想像で、さすがカトリック信者だなぁと思った。父とは家族をなんだろう、家族たらしめることとは、そんなに努力をしなければならないんだろうか?我が家はなんだか惰性で家族しているなぁと少々反省の気持ちを起し最後のページを閉じたのでした。

2019/12/17

桜もち 太郎

昭和54年に掲載の新聞小説。戦中を生き抜いた父親は何よりも「けじめ」を重んじる。その娘が妻子ある男と不義の恋に走ってしまう。解説にあったが親子の関係は常に古く新しい。作者の終着点はどこなのか、想像しながら読み進めた。ストーリーはいたって単純だった。しかしその単純の中にも遠藤流の持っていき方があった。家族とは親子とは何かを考えさせられる物語だった。解説にあった作者が自身の息子と交わした三つの約束が印象に残る。しっかり付箋をつけておこう。

2019/07/05

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