恋七夜 (集英社文庫)
恋七夜 (集英社文庫) / 感想・レビュー
gonta19
2009/10/22 奈良市新大宮駅前 啓林堂書店にて購入。 2021/1/28〜2/5 昨年末に読んだ安部氏の「信長はなぜ葬られたのか」に記載があった、秀吉の「北野大茶会」がたった二日で中止になった裏側を描いた作品。上七軒の北野太夫を主人公に据えた設定が秀逸。やはり伝奇的な作品を書かせると上手いなぁ。
2021/02/05
雪
先が読めないストーリーに引き込まれて一気読み。全編を通して現代とは異なる空気が流れていて、桃山文化全盛期の華やかな世界を覗いているような感覚に陥った。随所に差し挟まれていた当時の花街や芸妓についての解説のようなものも興味深い。結師という仕事も初めて知った。富子と源四郎の切ない恋のみではなく、ひたすら尽くす清十郎や、天下人としての器量を見せる秀吉も魅力的。歴史上の人物や出来事もいくつも登場し、程よく盛りだくさんで、かなり満足できた一冊。
2016/02/28
安曇礼
京都、上七軒随一の芸妓、北野太夫・富子と、茶道具を納める袋の紐を飾り結びにする結師・源四郎との運命的な悲恋を、秀吉のキリシタン禁教令、北野の大茶会を背景に描く。作品世界、人物造形は勿論、大小の考証まで、とにかく深い~。濡れ場を書くのは不得手と言っておられた阿部さんだけど、富子と源四郎の結ばれるシーンは美しくて感動的。富子に想いを寄せながら、それを秘めてひたすら尽くす清十郎も無論だけれど、ここでの秀吉も、粋で洒脱で、なかなかに魅力的。
2012/05/09
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