戦争の世紀を超えて その場所で語られるべき戦争の記憶がある (集英社文庫)
戦争の世紀を超えて その場所で語られるべき戦争の記憶がある (集英社文庫) / 感想・レビュー
Nobuko Hashimoto
いろいろあって、間を空けすぎて印象が散漫になってしまった…本はある程度、一気に読んだ方がいいなあ。こういう対談本は特に。対談って、勢いがあって話の内容も濃密だけど、書いたもののようには整理されていないので、案外記憶に残りづらかったりする。本書も、ポーランドのイェドバブネやアウシュヴィッツ、朝鮮半島や広島など、虐殺の現場を2人で訪れて、歴史と現在について検証するというもので、姜尚中氏はもちろん森達也氏の知識や見識、熱い語りに圧倒される。場所もテーマも語られる内容も興味深いので、また読み直すとしよう。
2019/09/24
ののまる
自分の知識のなさが原因なんだけど、すごく読みにくくて、とても時間がかかってしまい… 断言口調なので、ん?そうなの?一説じゃなくて?と何回も立ち止まってしまったり、かといえば話が自説援用のために哲学の方へいったりで、とにかくそれぞれの一つの会話の中に情報量が多すぎて。そして、会話はかみ合っていたのだろうか。往復書簡でもよかったな。
2024/07/07
なおこっか
文庫化にあたり広島での対談が追加されたので、改めて手にとる。戦争の世紀をこえるために人々が依る辺とするべきものとして、宗教や、二分法で語られる正義ではなく、“記憶”という言葉が挙げられたのが心に残った。つい先日読んだ『日本問答』での田中優子先生の提案と同じ言葉だからだ。イスラエルとパレスチナの問題解決を考えなければ、そこに思い至らねばアジアもまた同じ過ちを繰り返す危険があるとの森さんの意見が胸に刺さる。アウシュヴィッツや広島にはアクセスするのに、イスラエルは遠い話と思ってしまう己を省みる。
2018/08/13
lily
視点の柔軟さと言葉選びが一級品の森達也と、話せば話すほど博識さがにじみでる姜尚中の重厚な対談本。アウシュヴィッツ、三十八度線、イエドヴァブネ。メディアによって虚構された危機管理意識(伊勢崎賢治のいうセキュリタライゼーション)をもとに、正義や善意を掲げた殺戮が行われてきた戦争の世紀。人は愚かだという自覚と徹底した第三者の視点こそが何よりのメディアリテラシーであるということをこれでもかと繰り返す良著。「歴史とは、揺れ動く現在からの照射であるとの自覚と、その影と光源を見極めること」という森達也の言葉に痺れる。
2018/01/09
yori
★★★☆☆ むーーん。。人が虐殺に走る時。。その要素は現在の我々の中にも、存在する。
2011/11/08
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