僕と妻の1778話 (集英社文庫)
僕と妻の1778話 (集英社文庫) / 感想・レビュー
そる
とても読みやすいけど話の内容に大きなおもしろさや感動、秀逸な言葉とかなくてただただ平坦。話の内容じゃなくて、「病気で余命宣告された妻に毎日原稿用紙3枚分のお話を書いて妻に読んでもらう」という行為自体が話題でありおもしろさで、感動なんだ、と思った。それでも好きな話は何個かあった。「「現代は、人々の個人的なコミュニケーションの度合いが減ってきているでしょう?周囲の人間にろくに関心も持たないものが多くなっているんです。」」「いかがでしたか?長い間、ありがとうございました。また一緒に暮らしましょう。」
2018/12/05
じいじ
城山三郎の『そうか、もう君はいないのか』と川本三郎の『いまも、君を想う』も、先に逝ってしまった妻を偲んで書かれた力作で、どちらも再読までしました。この著者の作品は初読みです。さて本作は、作者の置かれた環境は同じでも、読み手の感触は全く別の作品でした。1篇が5・6頁の掌編小説スタイルなので読み易くまとまっています。また、この主人公(著者?)は、かなりのヘビー喫煙者ぶりが随所に垣間見えて、20年前までの自分と重なり印象に残りました。
2023/01/09
それいゆ
4年生に読み聞かせをしました。「一号館七階」と「古い硬貨」、そして最後の1778話目の「最終回」の3話を20分かけて読みました。前回読んだ「地下街の便所」と「お返し機」は爆笑でしたが、今回のはミステリー風だったので、子どもたちは不思議そうに聞いていました。「最終回」は文章はたった6行で約3ページは空白です。何も書かれていないページを子どもたちに見せましたが、何を感じ取ってくれたのでしょうか?子どもたちは納得した表情でした。
2016/03/04
おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…
82/100点 眉村さんの作品は、昔何冊か読んだことはあったのですが、ホント久しぶりの読書になりました。大阪出身で、住んでいたところも自分の実家から近かったので、昔から親近感を持っていた作家さんです。病床の妻に毎日別の物語を読ますというコンセプトなので、作品のクオリティはあまり高くありません。ただ、そんな中でもキラっと光る作品も何点かありました。特に最終回は傑作だと思います。最後の1行に眉村さんの奥様への愛が詰まっていました。最後に書かれている娘さんの解説に、眉村夫妻の日常が垣間見れて興味深かったです。
2017/12/26
それいゆ
4年生に読み聞かせをしましたが、十分理解できる話ばかりです。二つの話を読みました。「お返し機」は、隣家の犬の吠え声がうるさいので、録音してやり返す話。「地下街の便所」は、豪雨時に大水が押し寄せ溺れるのではないかとヒヤヒヤする話です。どっちが面白かった?と聞くと、圧倒的に便所が多かったです。
2015/04/17
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