砂の碑銘 (集英社文庫)
砂の碑銘 (集英社文庫) / 感想・レビュー
二分五厘
1985.2.28
火星人碧
貴浦志鶴子には幼い頃の一時期に、記憶の欠落があった。よくあることとして気にせず生きてゆける人もあろうが、志鶴子はその欠落を埋めたかった。電車のなかで偶然に掏摸を目撃したことから、彼女の記憶探しの旅が始まる・・・・・・。しかし彼女が行動した先には、次々と不幸な死が待っていた。連続殺人ではない。彼女の記憶の禍々しい部分がそうさせている、そんな想像もさせる。スリリングでスピーディーな展開で、読者を飽きさせない。
2016/08/22
miki
登場人物の心の表現が少し雑な気がして、思いがけない結末にサスペンス物としては良くできたストーリーだが、読んだ後の余韻が物足りないのが残念。
2015/05/05
Tac
自分の過去を探そうとしたために、周りの人々や自分自身をも不幸に陥れてしまうという、あまり救いのない話です。一生懸命になればなるほど、次々と悲惨な過去が暴き出されていきます。タイトルの「碑銘」は「悲鳴」と掛けているのではないかと思えるような話でした。1974年頃に書かれた作品なんですね。森村誠一も、昔はこのような作品を結構書いていましたね。話自体はテンポよく進み、最初の方は、過去の秘密が次第に明かされていく展開を楽しめるのですが、段々無理が出てくるように思えます。最後は、ここまでしなくても、という印象です。
2013/01/15
♪りんまま♪
あまりにも不幸過ぎ…欠落した過去の記憶を埋めたかっただけなのに…
2012/09/13
感想・レビューをもっと見る