映画篇 (集英社文庫)
映画篇 (集英社文庫) / 感想・レビュー
コットン
海外の映画をモチーフにした短編小説。本の扉に(『ローマの休日』上映会)が描かれ、心温まる最後の作品「愛の泉」などの布石になっている。教授の口癖「easy come, easy go」(簡単に手に入るものは、簡単に手から離れていってしまう)は確かに!
2014/06/07
アッシュ姉
登録本1234冊目は仲良しの読友さんの大好きな本で。切なさからはじまり、優しくて温かいラストまでじっくりゆっくり堪能した。思わず笑いが漏れたり、ほろりと涙がこぼれたり、また読み返したくて手放せない一冊に。理不尽な境遇による苦しみや大切な人をなくした喪失感を映画を通じて癒され、何より映画を一緒に観る人がいる喜びや楽しさに溢れている。物語の力ってやっぱりすごい。現実逃避から入ったとしても、救われたり勇気をもらったり、希望を持てたり気分だってがらりと変わる。→
2019/05/28
ラミウ
金城さんの本には、なんでこんなに胸が熱くなるんだろう。不器用でいい、時間がかかっていい、間違えたっていい。強くて優しい男になりたいっていう、塞ぎ混んだ心に陽光を射してくれるような温かさがある。一つひとつの言葉にハッとさせられ、救われる。読んだあと、なんか泣き出しそうになる。ピンチの度に、きっとまた読みたくなる。歯を食いしばってでも進みたいなぁ。大切なもんを守れるようになりたいなぁ。イージーカム、イージーゴー。
2014/05/11
TAKA
『愛の泉』がいいねぇ!ケン坊のアホアホパワーの恐ろしさ。それを弄る主人公の掛け合いは笑った。神様は無粋だ。アホの子はなんて愛しいんだろう。家族愛というより一族愛だよな。後日譚を読んでみたい。金城さんが描く男子はいい奴ばかりで共感できる。ローマの休日見てみようかな。
2018/07/04
emi
映画「ローマの休日」を軸に少しずつ重なる人々の、濃く瑞々しい文章で綴られる連作短編集。生きる間、映画のような人生を送ることは稀だと思うけれど、映画の主人公たちに多くの人が共感しまたは反発してきた。それは追体験のようなもので、自分の核に何らかの影響を及ぼすことも。本作は映画への愛に溢れていながらも、映画を見て感情を共有してきた人々のそれぞれの核を、多彩な感情とともに見せてくれる。そしてとても心に染み入った。弱っていた自分の心に、優しくそして前向きな力を静かに注いでくれた一冊。お勧めくださった読友さんに深謝。
2017/01/22
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