科学の扉をノックする (集英社文庫)
科学の扉をノックする (集英社文庫) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
宇宙、遺伝子、動物遺体やスポーツまで、作家の好奇心が科学の扉をノックし、その世界の第一人者の話を聴く。そこで感じた素直な感想や疑問が小川先生の感受性フィルターを通ると何とも素敵な説明に。分野第一人者の頭脳が、言葉を紡ぐ第一人者の筆を通ると、かくもわかりやすくなるものか!興味や疑問を解決するまさに最強タッグ!小説とは違う著者の美しい一言一言を堪能できる贅沢❗小川ワードを満喫しながら一緒に科学の世界も覗き見る、まさに珠玉の体験でした❗検索しながら読んだ。1番のお気に入りはやたら健気で可愛い『粘箘』です‼️🙇
2018/12/22
mae.dat
小川さん。鞄持ち致しましたのに。科学の扉、奥の方は知らないですけど、入り口の方は開放されているんですよ。そして科学の知識は、想像の翼を大きく広げるのにとても役に立つのですのよ。SFはその顕著な例かも知れませんが、それだけじゃないのよ。それは小川さんが本書で実践されて居ますので。もっと多くの人々が自由にノックする世になると良いですね。せんせー方々から、良いお言葉頂きました。取り分けお気に入りは、DNAの村上せんせーの「笑いは副作用のない薬」、遺体科学の遠藤せんせーの「動物の遺体を『無目的』に収集する」です。
2022/01/05
ムッネニーク
73冊目『科学の扉をノックする』(小川洋子 著、2011年3月、集英社) 作家・小川洋子が科学のスペシャリストたち7人にインタビューをし、それを纏めた一冊。 ジャンルは天文学や鉱物学、生物学、スポーツ科学など幅広いが、いずれも専門的な内容ではないため、全くの門外漢でも問題なく読むことが出来る。 小川洋子らしい柔らかな文章で書かれており、一つ一つのインタビューはまるで物語のようなユニークさ。 科学に興味がなくても十分に楽しめる。 「私は今日ほど安らかな気持で、死の話に耳を傾けたことはなかった」
2022/12/15
ヴェネツィア
小川洋子さんは、子どもの頃から科学記事が一番好きだったそうだ。本書はそんな彼女が、自然科学の最先端の学者たちのもとを訪問して話を聞くという内容。これを読むと、彼女の知的好奇心と、十分に開かれた感性や想像力のあり方がよくわかる。「ヒトゲノムの組み合わせが4の30億乗の可能性があって、その中からたった1種類選ばれた」のが人間だ、というところなど、まさしく「奇跡」が現前する思いになる。また、著者がタイガースの試合をテレビで観戦する時に、バランスボールに乗って自らに苦役を与えながら見るというのも微笑ましい。
2012/11/29
KAZOO
小川さんは化学的なものに結構興味がありそうな感じですね。以前にも工場見学の話を読んだことがありますが、今回はさまざまな科学者などを訪ねて行ってその専門家の知識を披露させてくれます。宇宙から始まり最後は阪神タイガースのトレーニングコーチの話です。非常にわかりやすい話で小川さんも聞きだすのが上手ということなのでしょう。楽しめました。
2024/07/14
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