関ヶ原連判状 下巻 (集英社文庫)
関ヶ原連判状 下巻 (集英社文庫) / 感想・レビュー
財布にジャック
勇ましく戦う男達を描く歴史物も好きですが、裏で工作する頭脳戦の面白さはまた格別です。そんな諜報をメインにしてくれた関ヶ原でした。三成や家康をそっちのけで、朝廷工作や怪しげな連判状の存在が、まことしやかに語られ、もしや史実なのではと思い込まされゾクッときました。三成が残念な役割であるのは仕方ありませんが、吉継との友情がここでも一筋の光のような存在として輝いていました。西軍ビイキなので、それだけが救いでした。
2014/08/27
ナオデラ
後の安部龍太郎の戦国時代作品の骨子になる物語。近衛前久、細川幽斎、明智光秀の企てた信長暗殺に秀吉が与していたという事実。第3勢力としての細川家と前田家共同による王政復古計画。同著者の葉隠れ物語でも語られていた古今伝授の力。途中中だるみ感はあったが興味深く読めました。
2014/11/08
🐾ドライ🐾
緊迫の田辺城籠城戦。細川幽斎の仕掛けた駆け引きの成否によっては歴史は大きく変わっていただろう。 上巻では必要かな?と思った石堂多門という作中人物の最期は印象に残る。 作者が描く、黒幕としての近衛前久は出番が少なく目立たないのに、ズッシリとした存在感がある。
2016/06/27
KTGR
あの関ヶ原の合戦に至るまでの過程を細川幽斎と牛首一族の生き残り石堂多門の二人を中心に描かれて行く。 古今伝授ってこんなに重要視されてたんだなあ。エンターテイメント性もあって読みやすいし満足!金沢城嵐の間と合わせて読むと尚良いかも!
2014/04/05
美代子
朝廷工作に敗れた大坂方こと石田率いる西軍は、関ヶ原で負けるべくして負けたのであって、けっして徳川殿が優勢であったわけではないという事(それ以前より戦いは始まっていてそもそも関ヶ原で合戦するより前に負けていた)。大義名分を失い、朝廷から見放された三成がかわいそうでかわいそうで…。一方の道を探る幽斎は光秀と同じ事を三成にもしたって事かなぁ~…。多門の幻覚の何万という鳥が落ちて行く描写が綺麗だった。勝ち目がなくとも挑む三成らの姿を「陣ノ義笑止ナリ」ですって?…愚だとは言えないよ…吉継が三成に掛ける言葉が救いだ
2014/02/28
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