マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン (集英社文庫)
マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン (集英社文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
疲れた時の"バンドワゴン"。第4巻は番外編。マンネリ化を打破するための工夫だろうが、タイミングはちょうどいいようだ。時間軸を敗戦直後の東京に置き、若き日のサチを描くというのも有効だろう。ただ、華族令嬢だとか、GHQだとか、国家を根底から揺るがす機密文書であるとか、揚句には小佐野賢治を思わせるような人物までが登場してくるなど、大風呂敷を拡げ過ぎだ。面白いと評価する人もいるのはわかるが、これではささやかなペーソスが失われ、大きく構えたことで、かえって普段は抑えられていた通俗性が露わになってしまったのは残念だ。
2016/11/18
starbro
♡東京バンドワゴンシリーズ完読プロジェクト! https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11307678?sort=book_count&order=desc 第七弾は、第四巻マイ・ブルー・ヘブンです。シリーズ初の番外編、勘一・サチ夫婦の馴れ初めが解りました。サチが本名でなかったとは・・・ マイ・ブルー・ヘブン♪ https://www.youtube.com/watch?v=A78b6vGcfz8 続いて第五巻オール・マイ・ラビング へ。
2018/08/26
SJW
東京バンドワゴンの4作目で、戦争直後に遡り、1~3作目で幽霊で語り手のサチおばあちゃんの娘時代を描いた番外編。今回は人情ドラマ、家族ドラマの路線は保たれているものの、日常ミステリーにはない緊迫感のあるアクションシーンも描かれていて、裏の世界の人達が登場してくる。裏の人とはいえ、堀田家のように優しい人や正義感に溢れた人ばかりで、サチを助けていく姿は頼もしく、安心して読んでいられる。知らなかったサチの家系や堀田家の家系、思いもよらない勘一の才能など、驚くことばかりの展開だった。即席ながらも結成したバンド「東京
2018/03/06
射手座の天使あきちゃん
終戦直後 日本の未来を暗転させるほどの極秘文書を父から託された華族の娘サチ、絶体絶命のビンチを救ったのは柔道の達人で完璧なキングズイングリッシュを操る青年・堀田勘一 それぞれに複雑な事情や哀しい過去や持ちながら、サチを守り平和な日常を取り戻そうと努力する人々、色んな愛が溢れていますねぇ、Loveだねぇ!! マリアさんの妹の姉を思う言葉に、ジョーの母親の献身に涙腺決壊 (/_;)
2011/09/11
風眠
エノケンの歌った「狭いながらも楽しい我家」のフレーズ、戦後間もない東京下町。そんな時代に堀田家の大じいちゃん・勘一と、物語の語り手・子爵令嬢咲智子ことサチは出会った。サチが父から託された国政に関わる重要文書が入った「箱」をめぐり、いくつかの組織から狙われる。そんなサチと箱を守るために、勘一の父・草平が知恵とコネの限りを尽くして解決していくさまがかっこいい。そして勘一とサチと友人が結成したジャズバンド、我南人の才能は親譲りだったのだなぁ。書物が持つ力を信じる古本屋の精神が眩しい『東京バンドワゴン』外伝。
2011/01/13
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