おれたちの街 (集英社文庫)
おれたちの街 (集英社文庫) / 感想・レビュー
nemuro
御大・逢坂剛。私にとって鮎川哲也、泡坂妻夫と並び別格の作家。1986年刊行の『カディスの赤い星』(直木賞・日本推理作家協会賞・日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞)あたりが初遭遇。推理小説、冒険小説は言うに及ばずジャンルは多岐に亘る。何れの作品も本格的かつ丁寧。微塵も手抜きがない。公安警察〈百舌〉、悪徳警察〈禿鷹〉、時代小説〈重蔵始末〉〈長谷川平蔵〉、骨太なシリーズが数多。そんな中、例外と思われるのが〈御茶ノ水署〉と〈世間師〉のシリーズ。軽妙で洒脱。著者自身最も愛すべきシリーズに違いないと勝手に睨んでいる。
2022/02/22
タツ フカガワ
このシリーズの舞台になるのはJR御茶ノ水駅から小川町、神保町周辺で、喫茶店「さぼうる」やカレーの「南海」「ボンディ」とか餃子「スヰートポーヅ」、中華「三幸園」など実在の店(現在は閉店もあり)が出て来るのが妙に楽しい。刑事たちがどこを歩いているか、その風景がすぐに思い浮かぶ小説というのも初めて。で、この4作目では、研修の若い警部補立花が保安二係預かりになる。この立花、国家公務員試験Ⅰ種に合格したキャリアだった。立花をはじめ、五本松、梢田、斉木の4人が活躍する「拳銃買います」、どんでん返しもあって面白かった。
2021/09/14
くらげ@
(☆☆☆☆)御茶ノ水署シリーズ第4弾。キャリア組の見習いの立花も加わり、いっそうにぎやかになっています。「拳銃買います」ではそうだろうなと思いながらも梢田にハラハラしてしまいました。さらっと読めておもしろいシリーズ。今まで短篇でしたが、次は長編だとか。楽しみにしています。
2016/06/12
かこ
「オンブにダッコ」はくだらなすぎる。いい意味で。 ブロックを積み上げて塀の中を覗くじいさんに真似て、梢田も覗いて見た所… 他3編も緩くて好きです。
2020/03/30
しんこい
久々の逢坂本といっても最新作でもないですが。神保町というちょっとなじみある町なので親しみやすいし、生活安全課が舞台なのも味噌で、そこにキャリアをはめこんだのが成功か
2018/02/10
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