せんべろ探偵が行く (集英社文庫)
せんべろ探偵が行く (集英社文庫) / 感想・レビュー
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
「せんべろ」という言葉がある。千円でべろべろに酔える店ということだ。これが中島らもさんのこの本から来ているとは知らなかった。「酒呑みの聖地」大阪・新世界を皮切りに全国を行脚する巡礼の旅。大阪は京橋、阿倍野、神戸・新開地、名古屋・大須、東京は茅場町、十条、北千住などとどれも濃い街だ。「ただ安けりゃいいというものではない。気持ち良く呑める店の雰囲気があって初めて"せんべろ"が成り立つ」ホントその通りだと思う。かなりディープなお店ばかりだけど、一つくらいは怪しく探検してみようかな。★★★+
2016/09/29
gonta19
2011/8/2 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2017/2/21〜2/27 千円でベロベロになれる、ということで「せんべろ」ではあるが、これがらもさん発だとは知らなかった。明るい悩み相談室で使ってたんだなぁ。しかし、紹介されるお店のどこも魅力的なこと。機会があればぜひ行ってみたい。 あと、何と言っても驚いたのが、我がふるさと藤井寺の市場内のクジラ専門店の話が出てきたこと。子供の頃、ここで買った尾の身を使ったハリハリ鍋が大好物だったなぁ。あれを旨い日本酒とともに食べたいなぁ。
2017/02/27
へくとぱすかる
「明るい悩み相談室」とか、かつてよく読みました。関西人が会話をすると自然にマンザイになるというのは、この本を読む限り真実です。「せんべろ」という言葉は知っていたけれど、まさか、らもさんの発明とはね。読んでいるとなんだか、本当にらもさんと呑んでいる気分になるから不思議。いえ日本酒は飲めないんですけどね。文庫だと、580円+税べろですな。しかもノンアルコールです。おもろうてちょっぴりかなしいラストオーダーでした。
2020/01/23
HANA
「せんべろ」とは千円でべろべろになるまで酔う事の意。内容はおっさん三人がひたすら飲み歩くという色気も何も無いものであるが、全編駘蕩とした空気が漂ってくるようで実にいい。入る店も肩肘張った高級店でございっていう店は一軒も無く、そこがまた素晴らしい。ただほとんどの部分を小堀純が執筆しており、中島らもはわずかにエッセイを書いているのみ。中島らものエッセイ集と思って読み始めたんだけど、少し当てが外れたかな。面白かったし、言行録っぽくて良かったけど。読んでいるとアテを食べながら一杯やりたくなる一冊でした。
2015/08/16
Shoji
単なる大衆酒場の紹介ではない。 単なる酒飲みグダグタのエッセイでもない。 ザッツオバカンサイ中島らもの手にかかると哀愁が漂ってくるのだ。 楽しいのに切ないのだ。 ところで、「せんべろ」とは中島らもが最初に造語した言葉とのこと。 朝日新聞関西版が記事で「関西遺産」として「せんべろ」を認定しているらしい。 天下の朝日新聞が正々堂々と記事にするところがいかにも関西。 中島らもとせんべろは永遠に不滅なのだ。
2016/04/21
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