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インターセックス (集英社文庫)

インターセックス (集英社文庫)

インターセックス (集英社文庫)

作家
帚木蓬生
出版社
集英社
発売日
2011-08-19
ISBN
9784087467291
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インターセックス (集英社文庫) / 感想・レビュー

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そる

聞き馴染みのない言葉でしたが簡単に言うと「男でも女でもない性別」のことで、性同一性障害とかLGBTQとちょっと違い、生物学的にどちらにもできない、染色体が男性なのに見た目は女だとかその逆とか、どちらの臓器も持っているとか様々なパターンがある。男と女、と二分化するのではなくそういう性もあり、呼び名があるといいし、性別より以前に人間であるからいいじゃない、ということ。そういう世界になっていくといいと思った。「「(略)男女である前に人間です。その大切な事実が、この頃では忘れられている気がするのです。(略)」」

2024/07/11

のぶ

知らない部分を垣間見られた、興味深いサスペンスだった。インターセックスとは、性染色体の異常で性器が男でも女でもない人たちのこと。岸川に請われてサンビーチ病院に転勤した秋野翔子。そこではインターセックスの治療が行われていた。前半部はこの医学的説明が多く、勉強にはなるが、ストーリー性がなく退屈な部分もある。やがて翔子は岸川の周辺に奇妙な変死が続くことに気づき不審に思うようにある。後半になり物語が動き出し、面白い読み物になっていた。テーマは難しいが、医師でもある帚木さんらしい一冊。

2019/04/03

papako

『エンブリオ』続編。今度は更に『インターセックス』という身体的半陰陽が加わる。その道を進んでいる秋野医師がサンビーチ病院に勤務することになる。5年の勤務でそこまで自信持って言えるの?と思っていたらラストで秋野医師の秘密が明らかになる。『男女の区別ではなく人として』本当にその通り!『手術することが幼児虐待。』本当にその通り!知らなければ「かわいそう」と思ってしまいそう。それは違うんですね。ミステリー部分よりも人体の不思議な気まぐれについて興味深かったです。最後はあっさりですが、これはこれでいいのかな。

2020/07/11

nyaoko

以前、ISに関する本を読んで、その中にこの「インターセックス」が紹介されてました。これは読まなければ!とずっと思いつつ、本棚で寝かせておいたものです。それにしても、色々と知らない事だらけで衝撃でした。性差医療も性分化疾患も、男性寄りの偏った治療が施されていた。年端も行かない頃から治療と称して屈辱的な診察と手術を施され、身も心もズタズタに傷ついた患者達を救う翔子の強くひたむきな熱意に心を打たれる。まさかの続編と知って、更に読みたい本を増やす事にもなった。これは嬉しい発見。

2016/03/16

Lara

性染色体、外性器の形状だけで、単純に男女の区別が出来ない。更に心の在り様(性指向)を考えると、人は多種多様な存在だ。既存の価値観の枠から外れることで、差別してはいけない。今はLGBTへの認識も広まり、それぞれの在り方が、尊重されつつある。そんな事を考えさせられながらも、物語は進行する中、秋野翔子医師が、素敵で格好良い、クールビューティ!最後に、岸川医院長の翔子宛てた手紙は、さながら2時間TVドラマの最後で、犯人がこれまでの経緯を振り返るシーンの独白のようで、この物語の詳細なる解説がなされた。

2020/02/28

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