言葉のチカラ (集英社文庫)
言葉のチカラ (集英社文庫) / 感想・レビュー
seri
言葉と向き合うことは自分と向き合うこと。読んでいる間ずっと、そんな言葉が頭の片隅にまわっていました。出来ているつもりだった当たり前の言葉遣い、ふと思い返してみると本当にその場面で適切につかえていただろうか?誰かを不用意に傷付けていること、あるんじゃないだろうか?それと同じように何気ない言葉で相手にちゃんと寄り添えていた場面も、きっとあると思いたい。言葉は、人だ。そして言葉は、磨くものだろう。人としての生は、この本にあるような優しさの滲む言葉で磨けるんだと私は今日も信じたい。
2018/06/06
団塊シニア
発する人の気持ちでその意味が変わる言葉、例えばうつ病の人には「がんばってください」という言葉はタブーといわれてるが筆者は大きな誤解だという、確かに相手と距離を置く吐き捨てられる「がんばれよ」は怠けるなに等しい、しかし相手の努力を尊重してやさしく投げかけられる「がんばってください」は「無理しないでね」と同じ意味を持つという、本書を読むと言葉の影響力について学ぶことが多い、
2013/08/08
June
こういう場面でこんな言葉がどうなのか具体的に書かれている。著者が精神科医のため、患者さんに対する記述が多い。書き留めておきたい言葉。あいさつは相手の笑顔を誘い出す。いかがですか、で相手の話したいことを引き出す。「いまどうしてそれをお尋ねになるのですか?」答えにくい質問をされたときに、わかっているよと伝えるおうむ返しのフレーズ。否定的な言葉はその人の無意識に呪文のように刻み込まれる。「何と言ってよいのかわかりません」「忘れられるはずはないですよね」「必要なものはなんですか」
2015/09/30
こはだ
この手の書物は数々あるけれど、読みやすさではこれがなかなか良かった。時々読み返したい。
2013/09/17
Gaku
「言葉がいたずらに深読みされたり屈折して受け取られたりするのではなく、そのままストレートに伝わる社会が元気な社会」というくだりが印象に残る。言葉は変化するものだけに難しい点が多々あるが、使う側と使われた側の両方の立場に立ってみることも大切なのだろう。神経質にならないくらいで、その言葉を今発する自分に向き合ってみる余裕を持ちたいと感じた。
2014/07/22
感想・レビューをもっと見る