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光媒の花 (集英社文庫)

光媒の花 (集英社文庫)

光媒の花 (集英社文庫)

作家
道尾秀介
出版社
集英社
発売日
2012-10-19
ISBN
9784087468915
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光媒の花 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ehirano1

連作短編ってのは繋がりや後日談的を感じることが出来る凄くお得な構成なので、当方はとても好んでおります。本書はあの道尾さんの短編連作ということもあって興味津々で読みました。蝶が短編を繋ぎ合わせていく構成は、なぜ『蝶』が?と思ったのですが、完読すると、『これは「蝶」以外には有り得ない!(=何というベストチョイス!)』と思いました。流石だなぁと改めて思いました。お勧めです。

2020/06/13

遥かなる想い

第23回山本周五郎賞受賞作。読後に道尾秀介はミステリ以外にもこんな本を書けたのかと思わせる短編集である。物語は6つだがそれが微妙に繋がって 不思議な雰囲気を醸し出している。認知症の母と暮らす男の、遠い夏の秘密。幼い兄妹が、小さな手で犯した罪。そして 幼い兄弟にそう思わせた 男・・ 現在から 過去を視る描写が本当にうまい。心に傷のようなものを抱えながら、必死に 生きてきた人々をやや距離感を置きながら・・  でも生きる希望の光を与えるかのようにうまく描いている。

2013/03/16

サム・ミイラ

小さな繋がりがひとつの流れを作る連作短編集。第一話を読み終えた時、あの「鬼の跫音」の続編だと確信するも読み進むうちまた違う味わいに驚き感動する。鬼の跫音は全てが犯罪の意識を追求するものだったが、今回のこれはごく普通の人々の営みを穏やかに慈愛に満ちた視点で紡いでゆく。謎に満ちながら深く優しく。濁り水が澄み渡るように視界は開け温かく胸に染み入る。ミステリとしても文芸としても読める道尾秀介のスタイルが確立された作品だと思う。光と蝶と花。それは光媒の花。タイトルも儚く美しい。

2017/11/16

射手座の天使あきちゃん

ホラーというかグロテスクなイメージが強くて避けていた道尾さん 「隠れ鬼」、「虫送り」と読んだ時点でちょっぴり後悔しかけましたが、徐々に春の日差しが差し込むような暖かなお話に・・・ 「風媒花」がとても好きになりました 他の作品も読みたいけれど どなたかお奨め教えて下さいませ! m(_ _)m

2013/12/14

Major

漱石が「向こう三軒両隣の世界」の中に見た「あはれ」を、道尾は空間的、地理的に、少し広げた「地域世界」の中で描いている感じがした。そうした世界の中で人間関係が織りなす何とも言えない悲哀、哀切を俯瞰するのには、時に地表近くを、 時に中空を舞う蝶からの目線がちょうどよい。鳥の眼で俯瞰するには「地域」を超えてしまう。僕たちが日常何気なくすれ違ったり、ふと視線を合わせたりするだけの人間関係の中にも、ひょっとして深いドラマが隠されているように思うと、しみじみ考えさせられたり、怖くなったりもした。

2017/09/02

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