私を知らないで (集英社文庫)
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私を知らないで (集英社文庫) / 感想・レビュー
takaC
分類的にはミステリなのだろうけど人生小説。北上次郎(帯)の「こんな素敵なラストにたどりつくなんて、誰が想像するだろうか」に激しく同意。しかし誰一人も中学生っぽくないぞ。
2013/02/08
kaizen@名古屋de朝活読書会
ネタバレ注意「私を知らないで」両親が借金でいなくなった「キヨコ」と呼ばれる女の子。主人公の男の子に発した言葉。結末前に、両親が亡くなった男の子が予防線として纏っていた言葉だと分かる。哀れみの手を差し伸べて欲しくない。だけど何かはしたい。窮地に陥った女の子を救う養子縁組みにより「姉」になる。実の姉弟ではないので制度として結婚できる。何故結婚しないのか。意味不明。続編を期待。うさぎの「なな」はどうした。三+四のことか。ナツイチ。解説:金原端人
2013/09/13
hiro
初めて読む白河作品。すずらん本屋堂で紹介されていたので購入した。中高生が主人公の小説は、数多く読んできたが、この作品も学校のヒエラルキーと複雑な家族関係の中の物語だった。しかし、慎平、キヨコ、高野三人が中心に、キヨコの売春疑惑、キヨコの家の向日葵の謎、学校行事の文化祭、そしてそれぞれの家族の問題やこの間に起こる事件、さらにラストと物語全体は今までにない新鮮さを感じた。序章から伏線が張られていたラストは、読者の好みが分かれると思うが、慎平のことを考えると切ないラストだった。ところで、白河さんは男性、女性?
2012/12/29
まりも
親の都合で転校を繰り返した結果、無難な生き方をするようになった慎平がクラスで孤立する女子キヨコに興味を持った事から始まる話。慎平の中学生にしては達観しすぎた考え方に引っ掛かりを覚えたことであまり引き込まれませんでした。キヨコの人物像もですが設定の甘さが目立ちましたね。もどかしさ、切なさを感じる結末は自分の好みだっただけに本当に残念。二人の距離感もすごく良かったんだけどな。他の作品の方に期待です。
2015/03/16
キングベルⅩ世
ひねくれものの語り手・シンペーとズレてる熱血漢・高野、美人でスタイルがいいのにヒエラルキーが最下層のキヨコの青春もの…、でありつつ家族小説かな。この設定だけだと割とありがちだと思うけど、全然そんなことはなく。やりとりも楽しくて、エンタメとして面白い。彼らの前に現れる最大の障壁の乗り越え方はちょっと疑問が残るが、そこに至るまでの流れや現在も含めて味わい深い。とにかく真っ直ぐに生きることの凄さが滲み出てて眩しい。このモヤモヤした感情を含めていい読後感だ。
2015/02/24
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