上海少年 (集英社文庫)
上海少年 (集英社文庫) / 感想・レビュー
優希
昭和初期の懐かしい雰囲気漂う短編集でした。幻想的な空気にほのかな官能の香りが豊かな詩情を際立たせています。懐かしさと切なさを感じました。凛一シリーズの『白昼堂々』が収録されていますが、この短編をベースにしているのかなと思いました。女性が普通に登場するのはこの頃の長野まゆみ作品にしては珍しい気がします。
2015/11/05
なつ
昭和時代のひとときを切り取った作品集。ノスタルジックな情景と切なさが重なる。様々な年代を舞台に少年と女性の交わりが淡々と、でもどこか官能的に描かれ、言葉の選び方がとてもきれい。そこに登場する女性は狡猾さやしたたかさが強く出されているけれど、嫌いになれないです。彼女たちにも哀愁が感じられるからかな。一番好きなのは「幕間」。
2019/05/11
冬見
そこから一歩も動けなくさせるような、閉塞感が強い作品が多い。少年たちは理不尽な目に遭うけれど、それでも"いくつかの選択肢の中から選んでそこへ来た"というものが多く、一見流されているようでありながら意志はきちんと持っていて、弱いながらも非常に強か。クセの強い女性陣もいい味を出してる。「雪鹿子」「上海少年」「満天星」「幕間」「白昼堂々」の5編。凛一シリーズを読み返したくなった。
2017/02/03
橘
面白かったです。レトロな雰囲気が素敵な短編集でした。「上海少年」「白昼堂々」が好きでした。
2015/01/20
佐島楓
五編の短編集。長野さんの本は初めて読ませていただく。登場する少年少女がなんとも蠱惑的で悪魔的。こんなこと実際にあったら困ってしまうだろうになあ、と思いながらも、美しい物語世界に引き込まれた。ほかの作品も読んでみたくなる。それほど、独特の雰囲気を持っている。
2012/11/18
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