風の如く 水の如く (集英社文庫)
風の如く 水の如く (集英社文庫) / 感想・レビュー
財布にジャック
こんな凄い歴史小説をもう少しで見逃すところでした。読書メーターをやっていて本当に良かったです。司馬遼太郎の関ヶ原は勿論偉大な作品ですが、これも異説ではありますが、関ヶ原を堪能出来ます。特に黒田如水好きにはたまらない作品です。如水と又兵衛と長政が主役です!戦国の世の父と子について考えさせられます。「この如水が家康殿の天下を奪おうと思えばた易いことであったのだ。」このセリフにグッと来ました。如水ファン必読の書です。
2010/08/05
アッキ@道央民
関ヶ原合戦の論功行賞を巡るお話しだけど、オ-ソドックスな徳川vs石田三成というのではなく、実は黒田如水の謀略が絡んでいたのでは?って見方で案外面白かったなぁ。天下分け目の戦い。今でもミステリーは多いから解釈の仕方で色んな物語が出来るんだろうけど。合戦に至るまでのお互いの謀略戦がまた凄まじい。如水の謀略を本多正純の聞き取りで浮かび上がらせていく。関ヶ原合戦をまたちょっと違った視点から描いた歴史ミステリー、読みごたえもありました。
2022/10/26
アイゼナハ@灯れ松明の火
これは面白かった!「関ケ原」モノは、個人的には、各大名家がどんな風に揺れながら天下分け目の一戦に臨んだかが詳しい司馬遼太郎のが一番好きなのですが、これに迫る面白さ。家康と三成の対立軸の第三局として、名軍師黒田官兵衛如水が天下盗りの密謀を巡らせていたのではとの疑惑を、関ケ原戦後の論功行賞を通じて、家康の謀将本多正信の子、正純が追求していく筋立て。武将同士の意外な繋がり等から「ひょっとしたら本当にそうだったのかも…」と思わせてくれるとこが凄い。ラストの如水と家康の対面のシーンも、如何様シブいです。
2010/07/17
うまとら(仕事が多忙のため休止中)
関ヶ原の合戦後の論功行賞の役割を担った本多正純が、黒田官兵衛の天下取りの謀略に鋭く切り込む。詰問相手の武将の回想の中で、関ヶ原の合戦前後の謀略の模様を描き出しています。丹念に史実を追いながら、作者独自の仮説を展開する点は素晴らしい。小説の内容も面白かったが、三成好きとしてはそこまで如水を持ち上げるのは如何なものかと内心思いました。
2010/08/23
mtngsng
初安部龍太郎。司馬さんの「関ヶ原」から流れで読んだ。むしろそこを経由しなければ出会わなかった本。関ヶ原の裏で実は、という話。本多正純と容疑者たちの密室での緊張感あるやりとりがたまらない。ただ家康が完璧すぎる。司馬さんの、切れ者なんだけど念には念を入れすぎてまるでへたれな家康が好きです。「親子の関係」と「親子のような関係」は違う。繋がっているからこその迷い、また繋がっていないからこその思いを感じた。如水の最後の台詞がかっこいい。
2010/10/30
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