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屍の聲 集英社文庫

屍の聲 集英社文庫

屍の聲 集英社文庫

作家
坂東眞砂子
出版社
集英社
発売日
1999-09-17
ISBN
9784087471007
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屍の聲 集英社文庫 / 感想・レビュー

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カムイ

坂東眞砂子作品は数冊読んでいる、読メ登録以降初読みとなる。土着信仰などのホラーをメインに書かれた作品が多いですが、人間の本質を嫌なぐらいに抉り出し情念をまざまざと描きってくれる。今回は短編集にていずれも呪われた作品集として身の毛もよだつようになり暑い夜をヒンヤリとした汗をかいてしまいました。農村の閉ざされた生活では因習や親族の確執により地獄の蓋が開かれ、妄想に取り憑かれた各々登場人物の鬼気迫る演技を堪能した。怖いのは人々の深部に潜んでいる悪意なのか?坂東眞砂子氏は死去しているのが惜しまれてならない。

2021/07/25

ジンベエ親分

惚け老人、子の間引き、抑圧的な舅、妻の浮気を疑う夫、母親に執着する小学生、彼らと土俗的な迷信や生き霊といったスーパーナチュラルな要素が絡むホラー短編集。いずれも田舎が舞台だが、このじとーっと肌にまとわりつくような薄ら寒い空気感を書かせたら天下無双。前にアンソロジーで読んだ「正月女」も収録されていた。これは「震えて眠れ」というアンソロジーのタイトルに相応しいピカイチの怖さだった。でも他の話も負けず劣らず…。「残り火」がお気に入り。これはちょっと戦慄する。たっぷり怖がらせてくれた魅力的なホラー短編集。

2018/02/27

エドワード

最も愛する者に突然殺意を抱く瞬間。愛する者が変わったのか、自分が変わってしまったのか。結婚以来、夫唱婦随で暮らしてきた妻の、夫への憎悪を描く「残り火」。若夫婦の間の疑惑を描く「盛夏の毒」。不治の病に冒された妻が、夫や姑、同級生に抱く葛藤「正月女」。「正月に女が死ぬと、村の七人の女を道連れにする。」という迷信が招く疑心暗鬼の描写がすさまじい。表題作「屍の聲」は惚けてしまった、大好きだった祖母への孫娘の感情の渦。前書きの、坂東さん自身の祖母への思いに共感する。いずれも、哀しいけれど人間の真実の心だと感じた。

2014/07/22

F

惚けて川に落ちた祖母の手を取れなかった少女は、その事を誰にも言えず苦悩する。そして通夜の晩、祖母は蘇り……表題作「屍の聲」。結婚の挨拶に、夫の故郷に赴いた女が見た奇妙な風習「猿祈願」など、5編の恐怖短篇集。/人の心に潜む暗い本音が、風土の因習としがらみに結びつくことで、絶望的なまでのおぞましさを醸しだす。このあたりの厭らしさを書かせたら坂東眞砂子の右にでるものはいない。とある一編のモデルになった場所の近くに住んでいるのだが、それ読んで、背筋にひたと冷たいものを当てられたような気持ち悪さを感じた。

2012/02/05

ちょん

軽い気持ちで読み始めたら私好みの怖話でとても嬉しいー❤どれもオカルト要素があるんだけど、怖いのは「人」が根っこにあって私の中ではとても好ましい✨(笑)読みやすい人だったのでポケのお話も読んでみたいです。「屍の聲」と「正月女」が特に好き。

2022/09/28

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