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シュガーレス・ラヴ (集英社文庫)

シュガーレス・ラヴ (集英社文庫)

シュガーレス・ラヴ (集英社文庫)

作家
山本文緒
出版社
集英社
発売日
2000-06-20
ISBN
9784087472042
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シュガーレス・ラヴ (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

心がザラつかされる山本さん作品を、またまた読んでしまった。主人公はどれも、自分ではコントロールできない疾患を抱えた女の子たち。ときにはいっしょに息を詰めながら、彼女たちのストーリーを読ませてもらう。『秤の上の』に出てくる美波ちゃんがいい。テーマは肥満だけど、彼女は悩んでなんていないし、自分で選び取った人生だし。「皆愛されたがってるの。話を聞いてほしくて、肯定してほしくて、可愛い可愛いって言ってほしいの。だから私はそれをしてあげる」少しだけ救いのあるような、ないような、ラストも好みだった。

2018/01/21

おしゃべりメガネ

直木賞受賞作『プラナリア』を読んで約10年ぶり、『なぎさ』からは約3年ぶりの山本さん作品です。改めて作者さんの作品を読むと女性のココロの本当に奥深いトコをシリアスすぎずにサラッと切なく綴っています。本作は「睡眠障害」や「便秘」「生理痛」「アトピー」や「突発性難聴」など様々な疾患をテーマに苦悩する女性の姿を淡々と描きます。ちょっと苦しくもありますが、自分を見つめ直し、何らかのカタチで改善していこうとする姿に胸がグッとなります。10編からなる短編集でしたが、決してハッピーではないにしろ、読後感は悪くないです。

2020/01/10

mariya926

様々な病気や問題を抱えている女性の短編集。表現が上手いですね。私まで少し苦しくなるかのような表現力です。シュガーレスのチョコレートみたいな感じでほろ苦い読了感でした。

2023/07/11

じいじ

人間は、何か疾病の一つや二つのを抱えているほうが強いかも、と私は思っています。今作は疾病・障害を抱えても、懸命に立ち向かう女たちを描いています。どの話もモヤモヤ感が漂うのに、明日に向かってチラッと明るい灯が見えてきます。私のお気に入り3話は…。◆悲しいけれど、心の芯が温まる話【アトピー性皮膚炎】◆35歳の後妻と25歳の娘母子の葛藤を描いた話。「今はダメ。病気が治ったら喧嘩しましょう」二人の雪解けに明るい未来が…【骨粗鬆症】◆そして【味覚障害】をテーマにした表題作。10話どれも中身のある傑作です。

2021/11/06

アッシュ姉

本年もっともハマった作家さんである山本文緒さん。遅ればせながら、今年の三月から読み始めて本書が九冊目。命に直結する病気ではないけれど、当事者にとっては深刻な不調にまつわる短編集。それぞれいろいろな原因で展開もさまざま。さすがの巧さと唸りっぱなし。やっぱり好きです。今後ますますのご活躍を楽しみにしていたので残念でなりません。もう新作を読めないのがとても寂しいですが、既刊本を大切に読んでいきたいと思います。

2021/10/26

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