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短篇セレクション サイコ・サスペンス篇1 会いたかった人 (集英社文庫)

短篇セレクション サイコ・サスペンス篇1 会いたかった人 (集英社文庫)

短篇セレクション サイコ・サスペンス篇1 会いたかった人 (集英社文庫)

作家
小池真理子
出版社
集英社
発売日
2002-04-18
ISBN
9784087474336
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短篇セレクション サイコ・サスペンス篇1 会いたかった人 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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miyumiyu

小池真理子作品はまだ3冊目だが、かなり好みの作品。どの短編もラストにゾッとさせられる。そして、とにかく文章が美しい。情景描写、心のひだまで掬い取るような心理描写にうっとりしているうちに、いつの間にか狂気の世界に引き込まれている。「会いたかった人」は、ラストで恐怖のどん底に突き落とされる。怖かった。「倒錯の庭」は、甘美で美しい文章が、狂気をいっそう引き立たせている。女性、しかも小池さんにしか描けないであろう秀逸な作品だと思う。文庫版は、他に3編収録されているようなので、こちらも読みたい。

2016/04/15

ゆのん

短編セレクション サイコ・サスペンス篇1 仕事も家庭も順風満帆な主人公が高校時代の中親友と再会する話。精神を病んだ上に悪意を強く持つ人間程恐ろしいものはない。(会いたかった人)家庭が上手くいかず別居し田舎町の高校教師の主人公。一回り若い青年との猟奇的恋愛はサスペンスらしいゾッとする感覚はあるものの正常な人間には理解できないものがある。庭やそこから見える情景が非常に美しく描かれているのは小池真理子らしい。(倒錯の庭)

2018/04/26

mii22.

これはいい!3篇とも面白い。読んでいると何ともいや~な気持ちにさせられるのにクールで洗練されていて美しく、そして容赦ない。特に『倒錯の庭』はその異常な愛がドクンドクンと胸を打つようで引き込まれた。そして巻末のエッセイを読んで納得。小池さんが書きたかったものは「美をはらんだ異常な物語」だった。私の感じたものが、まさにそれであったと気づいた時小池さんの凄さを思い知った。

2016/04/29

うーちゃん

約20年前に書かれたサイコ・サスペンスもの3編。今読むと結末の衝撃や新鮮さは少ないものの、それでもすごく面白かった。「倒錯の庭」の、正体不明の年下の男に恐怖を感じながらも、どうしようもなく惹かれていく孤独な女の描き方なんて、小池さんらしさ全開でコワかった。男と女をはっきり描いても、小池さんの場合いやらしくならずにどことなく硬質で冥い印象を与えるから、サスペンスにむいてるんだと思う。さすが名手。

2017/05/17

mami

愛情も度が過ぎれば執着。病いである。しかし渦中の人物はそれに気づけずつき進むのだ。描写が美しいため余計に恐怖を感じる三作品。「倒錯の庭」はひときわぞっとした。

2018/03/09

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