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チグリスとユーフラテス 上 (集英社文庫)

チグリスとユーフラテス 上 (集英社文庫)

チグリスとユーフラテス 上 (集英社文庫)

作家
新井素子
出版社
集英社
発売日
2002-05-17
ISBN
9784087474404
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チグリスとユーフラテス 上 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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かのこ

未来。人類が移民した惑星ナイン。繁栄と安定の時代を経て、人工子宮による人口爆発・弱肉強食…。やがて始まる謎の出生率の低下。人口減少には歯止めがきかず、移民から数百年、ついに惑星ナイン“最後の子供”ルナが生まれてしまう。老婆となっても“子供”でいなければいけない彼女と、コールドスリープにより眠っていた、各時代の特権階級であった女性達によって語られる、惑星ナイン逆さ年代記。凄い作品。独特の、助詞を欠き気味な少女小説っぽい語り口は好き嫌いあると思うけど(でも、この作品はこの語り口だからこそいいと私は思う)(続)

2017/11/12

ざるこ

人工子宮、凍結受精卵を携えて惑星ナインに移民する地球人35名。時を経て人口は増えるも徐々に出生率は下がり「最後の子供」ルナが誕生する。孤独な74才の子供ルナ。コールドスリープから覚醒させられる女性3人の視点で歴史が明らかになっていく。それぞれが生きた時代、取り巻く環境が緻密でのめり込んでしまう。マリアの苦悩には胸が痛んだ。子供が出来ないことの重圧。地球由来の子と人工の子で確立されてしまう差別はとてもリアル。生まれ、担がれ、生き方も知らぬまま独りになったルナと一緒に生きることの意味を考える読書。下巻へ…。

2019/10/16

NAO

地球から別の惑星へ移住した人類は数々の苦労の果ての繁栄を得るが、何らかの要因でこの惑星で子孫が減っていき、ついに「最後の子供」ルナが誕生する。どちらかというと軽めの文章は、病んでいるのに切迫感のないこの星の大人たちの世界によく合い、どんなに年をとっても「最後の子供」ということでいつまでも子ども扱いされ大人になることができないルナという存在を際立たせる。コールドスリープしている先人たちを次々目覚めさせ彼らに怒りをぶつけるしかないルナのやるせなさや、目覚めた人々が語る過去と生きる意味は、けっこう深く重い。

2017/01/28

紅香@とにかく積読減らします💦

惑星ナイン。ちりん、ちりん…。これは眠りから覚める音。何らかの病気でその治療が受けられる未来へとコールドスリープに入った特権階級たち。目覚めて初めて見るのはルナ、白髪の老婆。。最後の子供VSその時代代表の特権階級の図式がとても興味深い。プライドVSプライドのぶつかり合い。これは復讐であり、そして後始末でもある。惑星ナインの近代から創世記まで、誰が特権階級だったかの歴史が今の地球の経過と似ていて背筋が凍る。すごいな…人って。何度も何度も同じ道筋を辿って、また同じところに着地してしまう。迂回策は?下巻へ。

2020/03/11

そふぃあ

決してメソポタミア文明のお話じゃないよ。人類の新天地の一つ、惑星ナインが数百年のうちに移民に失敗し、人々が死に絶えたあと「最後の子供」ルナが取り残される。自分という不幸な存在を生んだ先人たちに復讐するため、コールドスリープしている人々を順に起こしてゆくルナ。目覚めた人々によって語られる惑星の歴史と、生きる意味。下巻に続きます。

2016/05/17

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