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草莽枯れ行く (集英社文庫)

草莽枯れ行く (集英社文庫)

草莽枯れ行く (集英社文庫)

作家
北方謙三
出版社
集英社
発売日
2002-05-17
ISBN
9784087474428
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草莽枯れ行く (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ehirano1

長い話でしたが非常に心に残りました。 時流が求めた草莽達。その「悲運」は西洋的思考を取るなら、当に「何とかのなせる業」なのでしょう。なんと過酷なのでしょうか・・・。しかし、竜馬は言います「草莽は枯れ行く。そしてまた新しい草莽が芽吹く。それを繰り返し、無数の草莽が大地を豊かにしていく。やがていつか、その大地から大木の芽が出ることもある」、と。現代に生きる我々とて何かしらの時流の要求を受けており、そしてその「大地」に立っていることを意識していこうと思いました。

2016/11/18

ehirano1

5周目。相楽総三は思います「物が動くところには、活気がある。思想がぶつかり合うところにあるのは、なぜか殺気だ(p230)」。国家が変わる時には“思想”が根幹となり且つ動くものが“国家”という定量し難いモノなのでこれまた定量し難い“殺気”なるモノが生じるのでしょう。ではなぜ“殺気”なのか?それは動くもが“国家”で、この“国家”というモノはそもそも“暴力装置(≒戦争をする装置)”を内在しているからではないでしょうか。

2017/01/14

ehirano1

3週目。草莽の悲運を嘆いてばかりでは居られません。次郎長親分は言います「死んだ人間にしてやれることはねえ。なんにもねえ。もし何かやるとしたら、生き残った者が、自分のためにやることだ」、と。しかしここで云う「自分のため」とは河次郎へ「人のためになる大人になれ」を達成するために自分のために何かしなさい、ということではないかと思っています。

2016/12/18

ehirano1

4週目。岩倉卿へ、「次郎長親分に借金した銭は踏み倒すことなくきちんと返されたのでしょうか?もしそうでなければきちんと返済して下さい。どうぞ宜しくお願いいたします。」 “草莽枯れ行く”の一読者より。

2017/01/02

えみ

生きる場所より死ぬ場所のほうがいくらでもあるこの時代。国家を良きものに変えられるのならば、我が身が枯れようとも構わないと、血飛沫舞い降る戦場で命を賭ける人たち。考え方はどうしようもないくらい愚かしい…だけど純粋なその揺るがぬ魂の頑なさ、一本筋の通った生きざまは思わず美しいと見惚れてしまうほどの眩い輝きに満ちている。濁流を前に決して怯むことが無かった草莽の徒らが集う幕末期の日本。誰かの正論は誰かの正義によって殺され、裏切りを肯定し、その真実を幻にした。上州浪人・相楽総三と博徒・清水の次郎長が挑む喧嘩は熱い!

2023/02/05

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