ボーダーライン (集英社文庫)
ボーダーライン (集英社文庫) / 感想・レビュー
遥かなる想い
ロサンゼルスを舞台にしたハードボイルド作品である。欲望の街で 犯罪に手を染めた人々の 家族の苦悩をハードタッチで描く。 安田信吾をひたすら追う過程で、様々な 家族の悲劇が語られていく…伝統的で懐かしい 昔ながらハードボイルド小説だった。
2024/01/23
扉のこちら側
2018年176冊め。最近報道で目にする様々な事件を思わずにいられなかった。作中の幼い頃から天使のような笑顔で昆虫や妹に残虐な行いをする息子は、精神鑑定でも異常は認められなかった。にもかかわらず通院やカウンセリングを何度も試みた両親の努力は実らず、やがて息子は人としての境界を超えてしまう。現実ではどうだろう。(続
2018/06/09
さっとん
真保さん2作目。 序盤はアメリカが舞台なのと堅い雰囲気に少し怯みましたが、読み進めていくうちにどんどん引き込まれていきました。 「生まれながらにして犯罪者」は存在するのかというテーマは非常に難しいですね。 子供を持つ立場としては非常に考えさせられる一冊でした。
2018/08/08
再び読書
人の親にとってはものすごく重いテーマ、自分の息子が血も通わない人殺しであった、他人は勿論妹、母親、父親まで手に掛ける。子供の頃に残酷な事をする度に、諭し、怒り、言い聞かせた事がまったく意味をなさなかった。有る意味現代のホラーなのかも知れない。また最後に主人公が親になるところで終末を迎える。わが息子に何の躊躇も無く射殺される父親の空しさと逆にその事で救われてしまう悲しさが残酷
2012/09/10
Walhalla
米国で活躍する日本人私立探偵が主人公のハードボイルド作品です。「生まれながらの犯罪者」というのは存在するのか、というテーマでした。もし自分の子がそういう人間に育ってしまったとき親はどうするべきなのか、非常に難しい問いかけですね・・。前半は毎ページのように飛び出していたアメリカンジョークも、後半はすっかり鳴りを潜めたように、とても重く悲しい物語でした。
2018/01/17
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