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シュークリアの海 (集英社文庫)

シュークリアの海 (集英社文庫)

シュークリアの海 (集英社文庫)

作家
谷村志穂
出版社
集英社
発売日
2002-08-20
ISBN
9784087474787
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シュークリアの海 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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きのこ

これホント好きだなぁ。買ってから10年以上たつので相当な回数読んでるんだけど、まったく色あせない。アサコが抱えた暗い心にはリアリティがあるのに、モルディブという舞台やそこで暮らす人々、そしてキリというキャラクターにはリアリティがない。逆にそれがいいバランスになってると思うのです。ちょっと病んでるのに読んでてズシンと落ち込まない。ネガティブな部分を少しずつ掬い上げて浄化してくれるような感覚になります。さらっとしたクセのない文体だけど、描写に言葉足らずな印象はなく、瑞々しくてとても読みやすい。大事な一冊です。

2016/04/20

あいくん

☆☆☆「私はなぜ、あんなに買ってしまったんだろう」は姉妹で交わす手紙の形を取っています。三十歳の姉はどんどん買い物をしていて借金が五百万円になってしまいます。その借金の穴埋めを父は断りますが、義兄が助けます。四編の中でわたしはこれが好きでした。「買い物がこんなに楽しいなんて」というところから、第三セクターの鉄道の35歳の女子事務員が7年間で売上金4400万円を横領したという事件を思い出しました。この女子事務員はブランド品の洋服の購入にあてていたそうです。落とし穴にはまらぬよう自戒していきたいです。

2014/06/13

ゆば

とても女性的な小説。谷村志保ワールドを垣間見た。そしてりーさんはとても彼女に影響を受けてると感じた。

2016/05/21

悩みを抱えながら生きていく女性たちのお話。表題のアサコとキリの対照的ともいえる関係性が面白くぐいぐいと読まされた。一人では壊れてしまう、人間には支えとなる人間が必要という人の心の弱さや繊細さが三作の違う物語で伝わってきた。作品形式や文章も読みやすく、作者さんの他の作品も読んでみたくなった。

2016/03/23

やぎみ

心がなかなか強くなれない女性たちのお話。いつかこんな感情をもてあました時代があったように思うが、結論を言ってしまえば若さゆえなのかな、と。歳を重なれば重ねるほど自分の操縦方法がわかってくる。アサコたちもきっと心から笑えるような日が来るといいな。逃げずに立ち向かって欲しい。

2012/12/12

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