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千年旅人 (集英社文庫)

千年旅人 (集英社文庫)

千年旅人 (集英社文庫)

作家
辻仁成
出版社
集英社
発売日
2002-11-20
ISBN
9784087475098
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千年旅人 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ある事情をそれぞれに抱える男の3つの話で構成された物語。テーマは生と死。沖を行く船に手旗信号を送り続ける義足の少女とか、自分の棺にするために難破船を1人で修理する男とか、一見無駄なことをしているかのように見えるのだが、そこに意味を見出すべく考察させようとする作品だなぁと思った。読む人によって感じ方がまるで違うであろうそれを作者は楽しみにして書かれたのではないだろうか。悪く言えば読者に丸投げした感じもしなくはないが、月夜の海へ漕ぎ出す船は1人の死を乗せた悠久の時間の流れを感じさせ、心に残った。

2014/10/14

みも

「砂を走る船」68頁「シオリ、夜の散歩」72頁「記憶の羽根」74頁、3篇から成る中編集。全体で200頁強というボリュームながら、ページ数以上に濃密な中身に悪戦苦闘。著者の持つポテンシャルの高さは存分に発揮されているとは思うが、如何せん独りよがりな感じがする。具体的事象の描写もそこそこあるが、極めて観念的で、スピリチュアルで、また扇情的でもあり、捉えどころが見つけにくく僕には難解であった。著者の死生観は、僕の思いが及ばない高みにあるのだろう。哲学的というよりは感覚的な小説であり、感性で浸る作品と言えようか。

2019/08/20

「砂を走る船」「シオリ、夜の散歩」「記憶の羽根」を収録した短篇集。 読解能力の低い私にはハードルの高い作品でした。

2023/12/14

あや

わたしは辻さんの文体が読みやすくて好きなんだと気づきました。内容は死についての短編なので暗いと思いますがフランス在住の辻さんなので、エロティックな描写もあります。いやらしくなく詩的な幻想的な文章だと思います。映画にもなったそうです

2020/02/24

ペミカン

フランスに息子さんと暮らしている彼の、40歳での作品と知って驚く。青年の日常に深い哲学があるけれど拒まれる感じは全くなかった。人には色々な才能があるものだとつくづく。

2021/10/06

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