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自由死刑 (集英社文庫)

自由死刑 (集英社文庫)

自由死刑 (集英社文庫)

作家
島田雅彦
出版社
集英社
発売日
2003-01-17
ISBN
9784087475333
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自由死刑 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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佐島楓

話のずらしかたなんかが島田雅彦だなーと思うわけです。発想が変でこの先生しか書けない感じ。読了後すぐ作るリアルの読書ノートにはいろいろ自分で書いているんですが、島田作品に関していつもそれとは違うことを読メ向けに書いてしまうのはなぜだろう。

2018/01/11

GaGa

良く出来ているので感心した。自分に「死刑」を宣告する動機が最後の方で語られたのは少し驚いた。この手の話だとぼやかしたままのものが多いから。作者のあとがきもにもあるが「酒池肉林」は確かに出来ても三日ぐらいだな。やはり体がついていかない(笑)島田雅彦は初読だが、筆力はすこぶるある。大きな賞をとっていないのが不思議だ。

2010/09/30

James Hayashi

ちと大袈裟なタイトルであったが、なかなか興味深いストーリー。自殺するまでの1週間と、それを死刑と名付ける理由にこちらも考えさせられた。臓器移植はいいとして(まあ、金目当てだが)酒池肉林や自分のアイドルの追っかけなど死に際出なくてもいいと思うし、もっと他にやることあるだろ?もう少し哲学的意味のあるものであればなお良かった。著者自ら表紙カバーのモデルにまでなっているナルシスト?ツッコミ処:臓器移植をorganic transplant と誤訳。

2015/02/25

青豆

来週の金曜日に自ら「自由死刑」を執行すると決心した男の1週間を描いた作品。貯金の100万円を使いながら来るべき日に備えるが、些細な事から男の計画には次々と邪魔が入る。臓器売買に外科医の殺し屋、美女との逃避行。果たして男は無事に死ねるのか。死を覚悟した時から、男の人生は急に輝き出し動き出すのが面白い。生きる自由もあれば死ぬ自由もある。けれど生きるのが難しい様に死ぬ事も容易でないという皮肉が島田雅彦らしい。

2014/09/16

パンナコッタ

人は生存欲求だけじゃじゃなく、死にたいって欲求があるみたいだ。なんせ、日本での死亡概要なんかでも、多くの世代で自殺の占める割合の高さは際立ってるし。一週間後の自由死刑を自らに課した喜多は、死に備えてやり残したことを決行する。酒池肉林の日々に溺れようにも案外才能がいるみたく上手い具合にいかないし、勝手に死のうとしてもその匂いを嗅ぎ付け利用してくる者、惹き付けられる者。多くの手続きに巻き込まれ、死すら資本主義社会では自由ではないのかという皮肉。死ぬことって案外ややこしい。

2016/05/20

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