桜さがし (集英社文庫)
桜さがし (集英社文庫) / 感想・レビュー
aoringo
京都が舞台の謎解き要素もある連作短編集。中学時代の仲間達が大人になり悩んだり迷ったり、少し時代を感じさせるが、若者らしい悩みが微笑ましく感じた。はんなりした京言葉も物語を柔らかな雰囲気に一役買っていて、若いっていいなあ~と擦れていない彼らが無性に羨ましかった。
2023/07/24
ワレモコウ
再読本。8話の連作集で、中学の同級生だった歌義・陽介・綾・まり恵の4人と恩師の浅間寺が、大小さまざまな事件を解決に導く。結末は、加害者に委ねているものが多い。主軸は、4人の青春成長物語と言える。表題通り花にまつわる話が多く、京都という土地ならではの風景や習慣が垣間見れて、非日常を味わうことができた。歌義の後日譚「流星さがし」が未読なので、読んでみたい。
2020/11/07
おくちゃん🍎柳緑花紅
中学生時代の同じ部活仲間4人が恩師(今は作家)の浅間寺竜之介先生を訪ねるところから始まる京都が舞台のお話。京都の名所、行事。食べ物。を背景に繰り広げられる、京都好きには堪らない。山椒の花を入れた鶏のすきやき、食べてみたい。4人の未来、先生の未来はきっと明るいと信じて読了。柴田よしきさんに嵌る予感がします。
2013/08/08
nemuro
図書館本。10冊近くの既読本がある作家だが、随分ご無沙汰で4、5年ぶりだろうか。帯には「四季折々の古都の風景のなか過ぎゆく一瞬の輝き。せつなさに満ちた青春ミステリ」とあった。『小説すばる』の「1998年1月号~1999年11月号」に掲載の7篇に書き下ろし1篇を追加の連作集。一昨年までの15年ほど、毎年9月には「甲子園参戦!&関西書店巡り」(4泊5日)と勝手に銘打って必ず訪れていた京都。物語にドップリと浸りながら、今はすっかり遠くなってしまっている京都の街(鴨川沿いとか木屋町通りとか)を闊歩させてもらった。
2021/05/01
巨峰
京都を舞台にした4人の若い男女のグローインアップ的連作小説+ミステリー風。京都の風景を上手く生かしているが、何より作者の4人の青年たちへの目線の温かさが印象に残る。桜というのは、夢だったり、希望だったり、勇気だったり、思いやりだったりという言葉に置き換え可能。しかし、柴田よしきさんは、懐の大きな小説家ですね!
2010/10/02
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