巨流アマゾンを遡れ (集英社文庫)
巨流アマゾンを遡れ (集英社文庫) / 感想・レビュー
読特
河口の町の市場で始まり、源流の山を拝んで終わる。船に揺られてハンモックも振られる。同期していない隣と激しくぶつかる。ワニ狩りは夜中にカヌーに乗って。モリで突き、ナイフで止めを刺す。ピラニアを釣ったその場所で泳ぐ。普通は人を襲わないという。大道芸人が飼っている大蛇。首を抑えて首に巻く。コカはコカインとは違うが、葉を噛んではダメ。喉に貼りつき悶絶する。…幅320km、長さ6770km。南米大陸を横断する巨流を東から西へ遡る。上流から下ってくる仲間と落ち合うはずの真ん中辺の町。そこには行商人姿の日本人が…。
2024/05/31
クプクプ
ブラボー!高野秀行氏がアマゾン川を河口のブラジルのベレンから、ペルーのアンデス山脈まで遡って行く紀行文。マナウス、イキトス等の地名は何となく聞いたことがあるけれど、アマゾン川の港の名前だとは初めて知りました。市場の話やナマケモノやワニ、ピラルクーにピラニアと私のような生きもの好きにはたまらない内容。現地人との交流やコカインの危ない話や、コカインの意外に安全な使用法なども書かれていました。この先、何度も繰り返し読む、お気に入りの一冊になりそうです。高野秀行氏20代の作品で文章から語学堪能なオーラを感じました
2024/03/08
ホークス
アマゾン紀行でも開高健の「オーパ」は楽しめず、こっちはすぐ入り込めた。これは個人差以上に世代的なテンションの違いだと思う。当時20代半ばの著者がハイリスクな国を大胆に踏破し楽しむ姿は爽快だ。ガイドブックの細かい指図に「余計なお世話」「人それぞれ、勝手にしやがれ」と毒づき、ブラジル人の複雑さを「誇りの高さは孤独の深さだ」と賞賛する。この若さにして既に高野節が確立している。ガイドのジョアキン、船頭のハイムンドのじいさん二人の写真が素晴らしい。顔は白人だが雰囲気が現地人そのもの。これは原始に戻りつつある人間だ。
2015/11/05
ごへいもち
既読の地球の歩き方「アマゾンの船旅」の文庫化。あとがきと解説が楽しかった。地球の歩き方版がそんなにレア物とは知らなかった
2015/08/29
saga
『地球の歩き方』から依頼された仕事が「高野が歩いた地球」となって企画ともどもお釈迦になった作品。確かに読者を旅に誘うような書き出しを訝しく思ったものだ。辺境を書かせたらぴか一の著者だと思うし、その理由は解説の浅尾氏が余すところなく書かれている。いつの間にか著者のファンとなり、2015年10、11月は著者の本を続けざまに読んできた。積読本もあと数冊ある。引き続き高野の旅を楽しもう。
2015/11/24
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