虹の谷の五月 上 (集英社文庫)
虹の谷の五月 上 (集英社文庫) / 感想・レビュー
うののささら
個人的にはすごく面白い。1990年フィリピンに旅行に行ったとき、日本のヤクザがフィリピン警察といっしょに飲み歩いていて学生だった自分に困ったことがあったら連絡しろと言われたの思い出した。人民は陽気で優しく料理も美味しいフィリピンだが内政はグチャグチャ。治安が悪いので今だに企業が誘致できないから人民は貧乏。地域を食物にし、ずるい人間しか贅沢ができない絶望しかないコミュニティで正義のために戦うホセ。画家から資産を相続したジャパユキの未亡人クイーンが村に来てから、村がおかしくなり地域の人の気持ちが混乱し出した。
2022/03/15
hit4papa
フィリピン・セブ島に暮らす日本人ハーフの少年の成長物語。13歳から15歳までの二年間足らずであるものの実に濃密です。上巻は、主人公トシオ、トシオの庇護者”爺っちゃん”を中心に、貧しいながらも逞しく生きる日々がつづられます。トシオは、闘鶏用の軍鶏を育てながらチャンピオンになることを夢見ています。閉鎖的な村社会の中での権力争い、差別、悲恋などてんこ盛り。日本から帰国した女の登場から物語はきな臭い展開へ。元ゲリラが一人潜伏する「虹の谷」への案内をするはめになったトシオ。これが血生臭い戦いのきっかけになるのです。
2021/12/03
tengen
2000年直木賞作品。 フィリピンセブ島の100人足らずの田舎ガルソボンガ地区。そこで祖父と暮らす日本人フィリピン人混血の少年トシオ・マナハン。 闘鶏用の軍鶏を育てながら平凡に暮らしていたが、地元出身のクイーンことシルビア・ガラン・デ・オオシタが大金を持って戻ってきてから地域住民たちが変わってゆく。ゲリラがはびこる政局不安なフィリピンの田舎で起こる様々な事件が少年の成長を促す。
2018/08/17
きょちょ
直木賞受賞作。 1990年代後半のフィリピンが舞台。 語り手が13歳なのでマイルド感が有り、そのせいか他の作品に比べてハラハラドキドキ感は少ない。 それが嫌なわけでもない。 焦点がぼやけている気もするけれど、下巻で一気にまとめ上げてくれるような気がする。 ★★★★
2017/10/10
JUN
フィリピンのセブ島の片田舎を舞台にした少年の物語。話の展開が速く、色々な事件が目まぐるしく起きるので、サクサク読み進めた印象。下巻も楽しみ。
2018/01/05
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