虹の谷の五月 下 (集英社文庫)
虹の谷の五月 下 (集英社文庫) / 感想・レビュー
kaizen@名古屋de朝活読書会
直木賞】日本人の医師が誘拐され、助けに行く父が日本人、母がフィリピン人の「ジャピーノ」13歳トシオ。フィリピンと日本の関係を二つの視点で書いているところが出色。虹の谷から出てきたホセの活躍も虚しい。フィリピンの視点で、この本がどういう評価があるのか知りたくなった。
2014/04/29
hit4papa
フィリピン・セブ島に暮らす日本人ハーフの少年の成長物語。下巻は、死が暗い影を落とし始めた主人公トシオの暮らす村。トシオは、元ゲリラが潜伏する「虹の谷」明かしてしまったことから、ゲリラたちの戦いに巻き込まれてきます。ここから、著者の本領発揮!銃弾飛び交う中の戦闘は、時代背景となっている2000年頃の日本ではあり得ないシチュエーションです。それでも、ハラハラが止まらない。ホセと合流したゲリラ V.S. 暗殺部隊の斃し、斃されの戦いが続きます。トシオの目を通した戦闘の結末は!著者らしい決着の付け方です。
2021/12/22
tengen
まん丸の虹が出るという虹の谷への道はトシオしか知らない。だがそこにはゲリラのホセ・マンガハスが住んでいる事からトシオは暗殺や誘拐事件に巻き込まれて行く。 愛する者たちの生き様や別れがトシオを変えて行く。 少年は大人になった。 ☆彡 たった14歳から16歳までの3年足らずの物語なのだが余りにも濃密。 後日談も読んでみたいものです。
2018/08/21
James Hayashi
直木賞受賞作。面白さは際立っているが、長さも半端ない。 舞台はフィリピンであるが、日本人と混血のジャピーノが主役。13歳でありながら治安の乱れた島国で混乱の渦へ巻き込まれながら成長していく姿はなんとも頼もしい。闘鶏やゲリラとの闘争、日本との間接的な繋がりは興味を失わせず読みどころがある。同僚のフィリピーノの見方が変わるかも。
2019/11/24
きょちょ
「猛き箱舟」の方が好きだが、最終的にはロマン溢れる作品となり読後感は爽やか。 上巻では、焦点がぼやけていた気がしたが、やはりまとめてきた。 誘拐事件から緊迫感が出て、蝙蝠台地の闘いは予想がつくものの、ぐいぐい引っ張られた。 闘鶏の場面も凄味がある。 政治腐敗の蔓延するフィリピンにおいて、正義とは何かを知った主人公は、血縁が誰もいなくたっても、これから堂々とした人生を送っていくのだろう。 ★★★★
2017/10/13
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