KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

ものがたり風土記 (集英社文庫)

ものがたり風土記 (集英社文庫)

ものがたり風土記 (集英社文庫)

作家
阿刀田高
出版社
集英社
発売日
2003-08-20
ISBN
9784087476040
amazonで購入する Kindle版を購入する

ものがたり風土記 (集英社文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

takaC

「続」の方だと思って読んだら勘違いで前に読んだことのある1冊目の方だった。こういう旅のアプローチ好きだから良いけど。

2016/07/06

クラムボン

阿刀田さんが10歳年下のフリーライター《市さん》と二人で、ものがたりの地を辿る紀行です。行き先は、滋賀、鹿児島、新潟、東京。どの地の話も興味深いが、特に鹿児島の平家物語の舞台となる鬼界ヶ島が怪しげで面白い。俊寛が流された島。一般には奄美大島の喜界島と思われているが、実際は薩摩半島の鼻先の硫黄島。そして小笠原諸島にも米軍に玉砕された硫黄島があり、紛らわしい。そして稗史伝説のたぐいか?安徳天皇の墓がある。当地で皇子をもうけ今日まで子孫が続いている。伝承は他でもあるようだが、大変手が込みスケールが大きいそうだ。

2021/07/13

donky

「ものがたり」を生成するヒントを得ようとして旅したのでしょうが、さすが博覧強記の阿刀田さん、その記憶力と勘の鋭さに驚きます。民話のふるさとである琵琶湖、新潟、鹿児島を周遊する現地探索はドキュメントであり、物語が産まれる秘密を語って楽しい。知友、市さんとの会話も牧歌的で懐かしい。古代から清張、あるいはグリム童話まで織混ぜて紀行しています。この種の文学案内を初めて知りました。それにしても、物語は、フィクションは人間のいるところどこでも生まれるのですね。作り物であっても、語る限りはそこに真実があるとは卓見です。

2015/10/13

MIKETOM

紀行文と言えば紀行文。著者が日本全国を回りながらその土地を紹介していく形式。ただしちょっとした趣向がほどこされている。つまりその土地にまつわる民話、伝説、言い伝え、各時代の文学作品などに関する蘊蓄の紹介がメインになっているという点。例えば新潟の佐渡にいって「夕鶴」や「山椒大夫」に関するさまざまなエピソード、時代背景etcを解説してくれる。これは正続二巻に分かれ、この正編では滋賀、鹿児島、新潟、東京(の一部)を取り上げている。各県各土地にさまざまな民話、伝説があるもんだなと、知的好奇心を満足させられる一冊。

2015/08/03

AR読書記録

裏表紙の解説(?)に「知的興奮と発見に満ちた、極上の紀行エッセイ」とありますが,全くそのとおりです.紀行文としてともに旅気分を楽しみ,同時に紹介される伝説や民話,また文学作品などを通して,そのとちの歴史や風土についての知識を深め,また硬軟取り混ぜた教養も得る... やっぱり硫黄島の安徳天皇の話のあたりが一番ぞくぞくきたかなぁ.故郷滋賀が多く取り上げられていたところもうれしかったし.“皿屋敷”が彦根にあったとは...!

2011/03/07

感想・レビューをもっと見る