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白い薔薇の淵まで (集英社文庫)

白い薔薇の淵まで (集英社文庫)

白い薔薇の淵まで (集英社文庫)

作家
中山可穂
出版社
集英社
発売日
2003-10-17
ISBN
9784087476262
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白い薔薇の淵まで (集英社文庫) / 感想・レビュー

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pino

凄まじい破壊力。同性愛をカミングアウトした人(中山さん)の覚悟を感じた。同性、異性、まして人間愛とも違う。愛は愛。中山さんの白い花弁を敷きつめたような美しい文章に酔いしれているうちに、毒をくらう。うっかり、頭に薔薇を咲かせようものなら、いつしか棘に悩まされる。気を付けなければ。塁とクーチ、出会った時から、果てのない地獄が始まる。愛でても、愛でても、愛は溢れ、傷つけあうほどに、離れられなくなる。物語の終盤には2人の関係が周囲を巻き込み、舞台は海外へ。2人にハッピーエンドは似合わない。薔薇は薔薇のままがいい。

2012/12/16

遥かなる想い

第14回(2002年)山本周五郎賞受賞。著者が「中山可穂」で、中山美穂と一字しか違わないと思ったことを変に覚えている。中味は、二人の女性の性愛を赤裸々に描いたもの。甘美で破滅的な愛がひどく大人の物語であるような 錯覚に陥っていたが、理解ができていたわけではなかった。

美紀ちゃん

目だけで口説く人。 すごい。 激しかった。うん。

2022/04/14

じいじ

中山可穂の小説は、やっと三冊目を読み終えたところだが、この一作には完全に打ちのめされました。今作は、平凡な29歳のOLと新人女性作家の塁24歳を主人公に、濃密で破滅的な「同性愛」を柱に書き綴られています。がしかし、それだけで片付けられない深遠な人間ドラマなのです。父性愛、家族愛など…人が生きていくうえで不可欠な「愛」を追い求めた作品だからです。印象深い心に残る箇所(ことば)がいくつも出てくる、とても奥の深い物語でした。また、追いかけたい作家が一人増えました。

2021/11/22

紅香@とにかく積読減らします💦

恋愛とは何。わからなくなる。傷つけ合っても何度も求めあう塁とクーチ。どこに辿り着いたらいいのか…という混乱が破滅を呼ぶのだろうか。性別を問わなければ、嫉妬も憎悪も2倍。。苦しくて暗くて痛い。中山さん自身、同性愛者だとカミングアウトしてる方。あとがきに『人生は地獄だが、書いているうちは、塁のような負け方はしないと約束する』と。まだ私の中で消化しきれてない。この言葉に、物語が深淵に堕ち続けても、力強い性別を超えたものを貫いてる潔さと危うさ、中山さんの作家としての覚悟を感じた。第14回山本周五郎賞受賞作品。

2013/04/26

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