かくも短き眠り (集英社文庫)
かくも短き眠り (集英社文庫) / 感想・レビュー
NORA
冷戦終結後のルーマニアを舞台としたサスペンス。主人公が傍観気味なためか他の船戸作品に比べると地味な印象だが、すべてを差配する黒幕の正体のあられもない空疎さとそれを諦念を持って受け止める主人公、熱気あふれる他作品とは異質なひんやりとした空気感、ベルリンの壁崩壊後のヨーロッパを俯瞰する批評性など魅力も多い。オープニングはなにやら格調高いが、血を見ると興奮しちゃうYAKARAとか森でギターを奏でる凄腕スナイパーとかちょいちょい中二要素が顔を出すのがカワイイ。
2021/04/27
miyamo
◎
2019/04/24
じゅり
舞台となっているルーマニアについてあまりにも知識がなかったので、その分興味深く読み進んだが、ストーリーの枠組みが前に読んだ作品とあまりにも似ていたのが残念。☆3つ半
2011/03/14
Emkay
1996年の作品。舞台はチャウセスク政権崩壊後のルーマニア。日本人の元傭兵が遺産相続人を探すうち、色んな事件に出くわす。生と死の間をさまよう多数の人物が活躍する。いかに日本人になじみのない土地が舞台になっても、空気感をどの作品でもひしひしと感じさせる空間描写力が健在。会話ではどの作品でも、5W1Hを聞き返すようなセリフが多用される(「なぜだ?」「なにを?」)。こんなくだりがあった:「~結局、あれが政治力学のリアリズムに巻き込まれた人間のいわば宿命的な帰結なのだ」。船戸作品に共通するテーマだと思った。
2012/09/22
秋乃みかく
★★★☆☆
2010/03/18
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