暗黒童話 (集英社文庫)
暗黒童話 (集英社文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
グロッ。でも乙一さんの作品は、それだけじゃないとこが人気の秘訣。もう少しあっさりまとめてくれたら、もっと私好みなんだけど。
2016/11/28
黒瀬
事故で記憶と左目を失った菜深。移植手術を受けたことによって左目に光は戻ったものの、身に覚えのない映像を勝手に再生し始める厄介な代物を抱える羽目に。それは眼球のかつての持ち主の記憶だった。時折流れる映像をヒントに持ち主の故郷と姉を訪れるという心温かな話かと思いきや、あらすじにある通りサイコなホラーへ。だがそれでは終わらない。猟奇的な面も多いが犯人の周りで起きた出来事は良い話のように聞こえるから不思議だ。エピローグの余韻も気持ちが良く、砂織の知っている『私』が消えてしまっても菜深との交流が続いてくれればと願う
2021/03/14
hit4papa
眼球の移植後、見覚えのない人々や風景を実感するようになった女性の物語です。並行して語られるのは異能の殺人者の行動。グロテスクで幻想的な雰囲気とミステリのような展開といい、乙一さん独特の世界観が堪能できます。せつなさ満開のラストは、全ての謎が氷解する快感をともないます。
sk4
切なさの達人の描く、グロいホラー小説。 何が一番怖かったって、記憶を無くして不安でしょうがない真っ只中の菜深への周りの態度。特に母親。 我が子のピンチにそれは無いだろう母ちゃんのくせに!と何度も泣きそうになった。 三木の特殊能力のおかげでグロい中にも阿鼻叫喚が無いので、痛さは無く読み通せます。 そういう意味でもグロいホラー小説の入門書としてはオススメかもしれません。
2012/09/12
いつでも母さん
息子の本棚よりちょいと失敬して・・乙一だから覚悟して読んだ。『ありがとう。記憶を見せてくれてありがとう。あなたがずっといっしょだったから、私は途中で投げ出さなかった。最後までがんばることができた。』不覚にもラスト近くのここで泣けてしまった。初めからそこはかと薄暗い雰囲気に纏われたテイストなのだが、実は哀しいほどの愛の話でもあったのだなぁ。息子よ、この感想を話し合いたい母がここにいるのだが・・どうよ?
2017/11/20
感想・レビューをもっと見る