エミリー (集英社文庫)
エミリー (集英社文庫) / 感想・レビュー
匠
3話構成のオムニバス。そこに共通した美術、ファッション、音楽への美意識や拘り。登場人物達が好んでいるものと自分の趣味があまりにマッチしていて、すごく楽しく読めた。でも描かれているのは様々な恋の形であり、実はけっこう重く痛くドロドロと生々しい。1話目の『レディメイド』はすごく短いものの印象的。2話の『コルセット』の男女の身勝手な滑稽さはある意味リアルで失笑してしまう。一番好きなのは、男しか愛せない少年と男性恐怖症のトラウマを持つ少女が築いていく想いを描いた3話目の『エミリー』・・傷だらけの純愛が美しかった。
2014/05/16
マンセイ堂
絵画や服装についての描写がとても多い作家さんでした。孤独、生と死、性など重厚なテーマが多かったように思います。読み終わって、自分もいつか絵画や展示を見に行って「この頃の作品はこうで、、、」というような事を言えるようになりたいなと思いました。
2013/10/01
アマニョッキ
お気に入りさんにお薦めいただいた本。この本が世にでた頃には私はもう立派な大人だったので無理な話なのですが、思春期に出逢いたかった一冊。この年齢で読むと「レディメイド」が一番好きだけれど、10代で読んでいたら絶対に表題作「エミリー」だろうな。10代でしか味わえないあのヒリヒリした感情が蘇ってくるようだった。お洋服のブランドがたくさん出てくるのも楽しい。私もSUPER LOVERS大好きだったな。今の今まで忘れていたけれども。嶽本さんの他の本も読んでみたい。
2017/06/05
林 一歩
恋愛短編集との捉え方で良いのかしら。著者の作品は初読ですが、読み終えて先ず浮かんだのが町田康。京都と大阪という微妙な違いはあれど、各々の作家に共通する、センテンスの持つリズム感は関西人特有のもの。それがネイティブか標準語かという違いだけ。 あと、中森明夫氏のトンガリキッズ。私と年代的に近いので、多分著者は教科書サイズの宝島を愛読していたに違いない。 私がブランドに疎いため登場する女性たちのキャラクターを思い浮かべ難いのが残念でならない。
2014/04/29
Yuuki.
短編3編。3話ともアートやファッションが絡んだお話なので、実在の芸術家やファッションブランドの名前が出てきて、それだけで興奮!どれも一筋縄ではいかない、読者がキュンキュンするタイプでもない恋愛の話で、我ながら何の感情なのか分からない感情で胸がギュっとなった。苦手なタイプの登場人物もいたのに、不思議と不愉快にならずに読み進められた。「コルセット」と「エミリー」からは、なんとなく自分の服装を正当化してもらえた気がして、今後も堂々と年甲斐のない私服で生きていこうという気になってしなった(笑)
2018/02/10
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