おわらない夏 (集英社文庫)
おわらない夏 (集英社文庫) / 感想・レビュー
kaoriction@感想は気まぐれに
夏の終わりに「夏のはじまり」というタイトルから始まる『おわらない夏』を友達が貸してくれた。「文章は拙いけど、雰囲気や空気感がいいの」と。センチメンタル。感傷的。小沢征爾の娘。愛すべき家族。少女の頃のキラキラした思い出の数々。キラキラというよりキラッキラッ。こういう世界にありがちな「愛に飢えて」いる要素は全く無く、愛に溢れ、愛に恵まれて育ったタングルウッドでの夏の日々。そんなキラッキラッを思い出しては綴る日記風。あまりの輝きに、少し羨望すら覚える。タカベェが「大草原の小さな家」のエドワードおじさん的でいい。
2013/09/23
swshght
またひとつ、心地よいエッセイと出遭った。夏は長いようで短い。しかし夏は刹那的であるがゆえに、永遠の記憶となって人を古き良き郷愁へと駆り立てる。誰もが少年時代の夏を羨み、「あの頃」の美しい残像に思いを馳せる。この本を読んでいると、田舎で過ごした夏の記憶が、静止した映画の一コマのようにふと蘇ってくる。滝で水浴びをし、田んぼで野球をし、父がくれた天体望遠鏡で夜空を眺め、ハリウッド映画を浴びるように見た。これらはみな「一瞬だったのに永遠のような時間」であり、「もう二度とあの時間にいることはできない」特別な体験だ。
2012/08/13
コホン
こんなにキラキラした子供時代を過ごせたら、幸せでしょう。小澤氏が子煩悩なのが意外だったけど、子供心を持った大人に囲まれて、一層楽しく過ごせたに違いない。
2015/03/11
久美
小澤征爾さんの娘で、小澤征悦さんの姉である小澤征良さんの作品。エッセイではあるけれども、まるで日記のような回顧録のような、引き込まれてしまう魅力がここにある。タングルウッドの夏を中心に語られる話は、子どもの頃を思い出し、なんだかワクワクすることの連続だった。これを読んでから小澤征良さんの作品をもっと読んでみたくなった。
2012/06/16
メデスキ
俺のチョッピング・ライトで打ち切りにしたいブルジョワなエッセイ(みたいな?)集。それでも、とってもお嬢様で、その辺はホンモノ感が漂う。
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