コンビニ・ララバイ (集英社文庫)
コンビニ・ララバイ (集英社文庫) / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
初読みの作家さんでした。表紙装丁とは裏腹にほのぼのヒューマンものかと、勝手に想像していたら、結構キワドイ表現もあり、色んな意味で予想外に面白かった作品でした。他の読メユーザーさんのレビューにもあるように、地味に性描写が少なくなく、「生」&「性」が静かながらもアグレッシブに全面に押し出されています。しかし、作品としては非常に読みやすく、人間模様の描写が素晴らしかったです。特に第6話の援交女子高生の話と第7話の老人の恋愛話は感動必須です。あまり深くシリアスにならずにサラッと楽しめる素敵な人間模様を是非。
2013/12/28
優愛
「守ることのほうがずっと難しい、本当は簡単なんだよ、捨てるなんてことは」愛すべきものを守る為に私が、あなたが犠牲にするものは何ですか――ミユキマートを灯す光は不器用ながら懸命に生きる登場人物の想いの灯。幸せでもなく不幸せでもない曖昧な終わりの数々に思った。読者である私にその答えを委ねてくれるのだと。迷う必要は微塵もない。せめて私の中では永遠に、幸せに生きていってほしいから。温かくて切ない子守唄を聴いているような読後感に目を瞑る。今日もその柔らかな「いらっしゃいませ」が聴きたくて来店する夢を見るのです。
2015/02/05
紫 綺
単行本にて読了。商品の品揃えより、優しさと思いやりの品揃えが充実したコンビニ、ミユキマートの連作短編集。
2016/08/13
りゅう☆
妻子を失ったコンビニ店長幹郎が、息子とカン蹴りした思い出に複雑さが交差する日常話から始まる。苦い過去を持つバツイチバイトの治子に好意を抱くヤクザ、売れないシナリオライター夫に離婚を告げられた妻、失語症になった役者の卵、腐れ縁の男と客とで気持ちが揺れるホステス、彼女の援助交際を認める男子高校生。幹郎との関わりはいい感じなんだけど、所々に出没する性へのこだわりに中途半端さを感じた。年老いた男女の恋人にそこまで性に追及しなくても…と治子の堂々たる発言にビックリ。結末もご想像にお任せっぽいので続編あれば読みたい。
2016/06/30
マッツ
珈琲屋の人々を2冊続けて読んでから読みました。暗い過去を持ちみじかに支える女性がいるのが、一緒でとても読みやすかったです。
2014/04/19
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