炎流れる彼方 下 (集英社文庫 ふ 7-6)
炎流れる彼方 下 (集英社文庫 ふ 7-6) / 感想・レビュー
練りようかん
主人公のあだ名はラッキー、しかし由来は反対で少々心配な滑り出し。リングで死ぬのを防ぎたい息子といいカッコみせたい父の私的なごたごたから、大掛かりな公開殺人の確信まで隆々とした流れが魅力的だった。シアトルからラスベガス、さらにカナダへ。上巻はボクシング小説、下巻はロードノベルとして描写を楽しめる上、一体何人が殺されたんだと途中苛立ったほどのバイオレンスで、退役軍人ビジネスや多人種の横のつながりなど長編を読ませるエッセンスが隙間なく、それでいて余白がありそんな書き方ができるのがすごいと思った。面白かった。
2024/08/27
2兵
舞台は都会を離れ、上巻のボクシング小説から、ロードムービー、そしていつもの船戸節が炸裂する、圧巻のクライマックスへと雪崩れ込む。バトラーという頼れる男はいるが、それでもいつやられるか分からない緊張感がひたすら続き、遂に黒幕との対決を迎える。銃を持ち、闘う男と女。雷鳴と稲妻、豪雨。手榴弾、ダイナマイト、火焔放射器…いやはや。何だかんだで船戸与一作品はやはり面白い。あの後主人公は、子供たちを無事に生き延びさせる事が出来たのだろうか。せめて彼らの未来に幸("ラッキー")多からん事を。
2018/11/26
竜
最後はいつもどおりなんだけど、キャラが魅力的でした。
2009/11/29
感想・レビューをもっと見る