薔薇忌 (集英社文庫)
薔薇忌 (集英社文庫) / 感想・レビュー
文庫フリーク@灯れ松明の火
もしも現実の性を知らない幼き日ー仮に10歳頃から夢の中でその愉悦を知ってしまったなら。熱い肌や重ねた身体の重みを、現実の性として経験する年齢になっても、いや、年月を経るごとに眠りの中、訪れる夢がますます淫蕩に、猛々しい陶酔感を深めて行ったとしたなら。歌舞伎や旅芝居など演劇に関係する人々主人公の短編7作。上記、夢が現実を上回る、性の喜びの極限に招く「紅地獄」 主人公は芝居の小道具製造を家業とする家のお嬢。歌舞伎の舞台でしばしば登場する生首で、上首と呼ばれる極めて精巧・役者の生き写しのような生首造りの才有る→
2014/10/06
藤月はな(灯れ松明の火)
演劇、創作舞踊、浄瑠璃、歌舞伎など舞台で人に演じる人々や舞台を裏で支える人々を主軸にし、開く死の気配と退廃、ありえた未来からの異界。猿楽や白拍子などがが地位が低く、位置づけられても聖職的な意味合いを持っていたのは「舞台」という装置で「自分」を解放した「永遠の存在である何か」になれたからかもしれません。どことなく、赤江瀑的な世界観とも言えると思います「紅地獄」、桔梗合戦」、「化粧坂」、「化鳥」がお気に入りです。
2012/11/02
巨峰
演劇の世界を舞台にした少し妖しい雰囲気のある短編集。本格的なプロの演劇の裏側に取材した小説はあまり読んだ記憶がないこともあり、新鮮だった。一編一編よく整っていて粒ぞろいという印象。
2011/10/31
えも
舞台芸術の世界を題材にした、死の影が漂う耽美な短編集。なかなかに魅力的です。
2015/08/12
ミーナ
芝居絡みの短編7編。いずれのタイトルも中身もあやしく美しい。ぎょっとすることがさらっと出てくる「祷鬼」(字が出てこない)が一番好み。
2014/12/28
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