怪異投込寺 (集英社文庫)
怪異投込寺 (集英社文庫) / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
本作の表紙は、絵筆を口にくわえている老人だ。 彼の目は、「ぎょろっとした」という表現がまさにぴったり。頬の皮膚は、蛇のうろこのように、かさかさだ。 老人の右上には卒塔婆、右下には、きつい目の美女。 妖しく、そして、怪しい絵。 まさに山田風太郎の世界。老人の名は、鴉爺い。廓で死人が出る度に、必ず現れるという。不吉な予兆を感じて皆は蔑むが、廓の人気花魁・薫だけは彼に笑顔で声をかける。蛸との交合という、イザベル・アジャーニの「ポゼッション」を先取りした枕絵を書こうとする北斎の写生を覗き見していても、咎めない。
2003/06/23
どらんかー
どの話もめちゃくちゃ面白い。
2022/06/18
ペペロニ
粒揃いの短編集。特に表題作はミステリーとして読んでも面白い。やはり風太郎作品の容赦の無さは最高だ。
2016/09/25
Quadrophenia
途中で落ちはわかったけど、それでも「芍薬屋夫人」のおぞましさと胸糞悪さはすさまじい。表題作「怪異投込寺」の北斎、「地獄太夫」の一休など、実在人物の描き方はよかった。
2015/01/19
KBS
何らかの形で廓が関わる作品が多い。収録された中では「踏絵の軍師」が良かった。
2011/07/14
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