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旅人の木 (集英社文庫)

旅人の木 (集英社文庫)

旅人の木 (集英社文庫)

作家
辻仁成
出版社
集英社
発売日
1995-06-20
ISBN
9784087483512
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旅人の木 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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みも

それぞれの読者に解釈を委ね、自問してみなさいと挑発する。僕の感触では、喪失からの渇望…そして探索。そう、あたかも水を貯え熱帯で渇水した人の喉を潤す「旅の木」を探す心の旅…。未回収の事象が放置され、結論を希求するとその不可解さに困惑し、唐突に遮断された様な気分に落ち込み心が攪拌される。多分に哲学的要素を内包し、魂の分離性や輪廻、更にカルマにまで言及する。60年代によく見られたニヒリズムの匂いがするが、もっと現代的に洗練された詩的な表現をそこかしこに散りばめており、淀みなき清流に素足を浸す様な心地よさもある。

2018/04/09

hasemi

実際に読んだのはもう10年近く前。これが初の辻さんだった。最近のとはちょっと違う雰囲気なので、今の雰囲気が好きな人は「ちょっと違うな」と感じるかもしれないけれど、少し不思議で、少し切なくて・・・そうした部分は通じているように思う。

2013/01/14

ちばと~る

両親の死にも拘らず、音信不通となった兄を追い求める弟の物語。兄の元恋人の年上の美しい女性との激しい交わり。辻仁成作品の中でもワリと春樹っぽいカンジっすね~お兄ちゃんやっと見つかったと思ったら、???この兄ちゃん何がしたかったの~???この結末わ謎…わけわからんw

2013/02/07

まい

失踪した兄を探す、弟の物語。「兄」に振り回される周囲の人々の生き方はどこか弱々しく、儚げ。結局「兄」という存在はよくわからないままで、追いかけても辿り着かない弟が少しもどかしい。

2013/06/15

yumin

「兄を探しながら 自分探し」と解説の俵万智氏が書いている。あぁ~ 納得と思った。追いかけても追いつかない「兄」。「兄」は兄で追いつかせないように生きていた。ずっとそうやって生きてきた「僕」が「追いつかなくてもいい」って吹っ切れた?あなたはあなたの人生を歩もう。

2013/05/24

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