さよならをするために (集英社文庫)
さよならをするために (集英社文庫) / 感想・レビュー
Pure
がっつりと恋愛小説が読みたくなって、積本の中から手に取りました。唯川さんの初期の作品なんですね。ちょっと稚拙なありきたりな感じが、逆にリアルな若者の恋にマッチしているとも言える。でも、基本別れ話の短編なので、がっつりという希望とは少しズレてました。あと、基本的に男が悪い、男の移り気が原因という別れ話ばかりなのが男としては納得しかねる(笑)。
2016/11/15
絹恵
泡沫のように消える思いばかりではなく、弾ける痛みや余熱の涙もあるけれど、その思いが孕んだ意味、それは全てこれまでの、そしてこれからの、さよならが教えてくれるのだと思います。さよならは振り切るための言葉ではなく、結び目を解くための言葉でした。さよならを教えてくれてありがとう。さよならを言えることにありがとう。
2015/03/01
mayu
読書メーターの感想を見て。まるで、さよならをするために恋をしたような…恋の終わりをテーマにした短編集。「やっと言える、さよならが言える」が良かったら、ラットの心理実験と自分の恋の痛みを重ね合わせる。痛みを越えないと生き残れない。鈍感になるのではなく、図太くなるのではなく、痛みを取り込んで克服すること、この言葉が印象的だった。恋の痛みを取り込んで、きれいになって、やっと終わりにできる。前に進んでいける。少し時代を感じさせる描写もあったけど、恋する気持ちは変わらない。
2020/03/24
みらこー
バブル期の匂いプンプン。あの頃のきらびやかなギャル(ワンレンポディコンでおれよりちょい上世代)たちの、後ろにいた少し地味だけど背伸びしたがる女性たちの恋と、別れのきっかけのお話5編。唯川さんの初期の作品みたい。あの頃って今よりもっと「見た目重視」だったような気がするのは自分だけ?特に男は経済力と車の車種。トレンディドラマ見てるみたい。石田純一出てきそう。男と女の違い、求めてるのは「男は理由、女はきっかけ」はなるほど。マヌカンが出てくるたびに頭でずっと「夜霧のハウスマヌカン」が流れる笑
2018/04/14
kozu
きれいに、でも女のリアル感情をえぐる唯川さんの初期作品。初期だけあって時代は感じるけれど、恋の終わりの切なさはいつの時代もいっしょだ。五つの短編すべてに「さよなら」のワードがはいっていて、最初と最後の二編が好きかな。なんにも考えずに鈍感に恋を始めたり終わらせたりできればいいけれど、そうもいかなかったりするのが恋だったり。
2017/04/20
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