愛をひっかけるための釘 (集英社文庫)
愛をひっかけるための釘 (集英社文庫) / 感想・レビュー
kinkin
1992年に刊行されたらも氏のエッセイ集。読んでいると他のエッセイで書かれていたことに何度も出くわすけれどついつい読んでしまうんだ。ハロ^・グッドバイという章では出会いと別れについて、煙が目にしみる・・・タバコとお酒のこと、花鳥風月、薄明の中からの章では身近な様々な事柄。「酒の正体」というエッセイではアルコール依存だったラモ氏が実に詳しくお酒について語っている。最近話題になった某アイドルグループのメンバーのこととオーバーラップしてしまった。
2018/05/01
shikashika555
再読。 愛されながら、愛を拒否し同時に希求する人間のどうしようもなさ。 なにかに向かって手を伸ばしながら、掴める数多のものはその「なにか」ではなくて。 仕方がないので絶叫しながら場外乱闘を繰り返す。 中島らものその、ワケのわからないところに強く強く惹かれるのは何故だろう。 中島らもを理解することは、自分のどうしようもない部分を いたわり愛し理解することになると、私は考えているんだろうか。
2022/05/14
Shoji
らもさんのおバカでないエッセイです。ゆえ、本当に中島らも作品か、との違和感が付きまとった。普通の作家が書いた普通のエッセイのタッチなのだ。えっ、らもさんって普通やんとか思ってしまった。どうやら、僕にはラリっているらもさんが普通だと認識されてしまっているようだ。おバカ丸出しだけど切ないのが好きだな、やっぱり。
2022/02/25
hope
★★★★ らもさん13冊目。おいらは、やっぱり、このおいちゃん好き。タイトルはフランスだかイギリスだかの格言からパクった(著者談)。怒る子は育つ。「立派でないもの」はなんでも好き。よこしまな初恋。俺の二本の腕は抱きしめるためにある。・・・くだらない考察にハッとする。役に立たない与太話が落ち着く。人の弱さを肯定する包容力に心が潤う。奥まで見透かす観察力と無駄な知識と尖った感性が、笑えてジンと来る。らもさんは、おいらのカンフル剤でもあり毒でもある。
2018/07/07
りつこ
ハロー・グッドバイの章がとてもよかった。「肝心なのは、想う相手をいつでも腕の中に抱きしめていることだ。(中略)二本の腕はそのためにあるのであって、決して遠くからサヨナラの手をふるためにあるのではない。」…いなくなるのが早すぎだよ、らもさん。
2015/08/05
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