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天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫)

天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫)

天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫)

作家
村山由佳
村上龍
出版社
集英社
発売日
1996-06-20
ISBN
9784087484922
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天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫) / 感想・レビュー

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三代目 びあだいまおう

とても真っ直ぐでピュアな作品。だから読み手の感受性にストレートに飛び込んでくる。恋心の切なさ、のしかかるような重み、抗えない痛みと憂鬱。大切な人を失くした喪失感と心に空いた深い穴。生に疲れ、生を続けていくことに恐れ、生の終着地点との境界線で震えおののき、とらえどころのない不安定な暗闇をさ迷う。人を大切に思いすぎてかえって大切なものを失う。こんな辛い思いはもう嫌、もう誰かを大切に思うことをやめる!何が私を救ってくれるの?読む人ごとに其々違った共感と後悔をない交ぜにさせる。救えるのはきっと愛だけなのに‼️🙇

2020/03/28

さてさて

『あれは正直言って、電撃的なひと目惚れだった。運命的と言いかえてもいい』という歩太の”ひと目惚れ”のその先を見る物語は、まさしく”純愛”のなんたるかを見る物語でした。清冽な川の流れのように美しく澄んだ情景描写の数々と、歩太と春妃の丁寧な内面の描写にすっかり魅せられたこの作品。あまりにも、あまりにも、あまりにも切なさを極めるその結末にしばらく言葉を失ってしまったこの作品。ああ、なんて儚いんだろう。ああ、なんて切ないんだろう。ああ、なんて美しいんだろう。冒頭と結末に心の違う部分を強く鷲掴みにされた絶品でした。

2021/05/29

にいにい

先に「柩」を読んで(^^;)天使シリーズを知り、歩太・夏妃をもっと知りたくて「卵」を手にとった。村山さんの繊細な背景描写が作品に深みを与えている。登場人物それぞれの葛藤に胸詰まる。心病んで自殺した歩太の父親と春姫の夫、姉に彼氏を奪われた夏妃、春姫を失う歩太。春妃の死はあまりに突然で(T_T)、悲しく切ない。読みやすいが、想像していたものとは違うかな。西行法師の短歌が、女性と青年の純粋さが、フクスケの可愛さがいい。次は「梯子」か「ヘヴンリー・ブルー」どっちから読むべきか?

2015/07/13

ちぃ~

読友さんに「天使シリーズ」を教えて頂いて、「卵」から挑戦(v^-゜)♪10年サイクルで書かれた村山さんのライフワーク?最初の一冊!デビュー作とは思えない繊細な描写のなかに、人が恋する時、出会う葛藤・痛みが随所にでてくる。心病んで自殺する父・夫、姉に彼氏を盗られる妹、最愛パートナーを失う者達。喪失感の計り知れなさが胸に迫る。悲しく切ない(ノ_<。)。歩太が一目惚れする描写は、初々しく、正に映像を見ている様。西行法師の短歌が、二人の純粋さが、フクスケの可愛さが響く。次の「梯子」で、救われる未来はあるのかな。

2015/08/07

扉のこちら側

1996年に初読。10代の喪失の物語。結末は唐突だけど、人間の生とはそういうものなのだろうな。

2010/01/22

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