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危険な食卓 (集英社文庫)

危険な食卓 (集英社文庫)

危険な食卓 (集英社文庫)

作家
小池真理子
出版社
集英社
発売日
1997-04-16
ISBN
9784087486018
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危険な食卓 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

表題作を含む8つの短篇ミステリーを収録。最後の2篇はやや傾向を異にするが、それ以外の6篇はミステリーの構造としてはそっくりである。短篇ミステリーの宿命かとも思うが、続けて読んでいると面白さが幾分か減殺されるようである。そうは言っても、各篇それぞれは違った着想からのアプローチが試みられており、作家の想像力の豊かさと工夫の跡は十分に感じられる。8篇の中では、冒頭に置かれた「囚われて」が小説としては最もよくできているように思うが、読者の好みは分かれそうだ。

2019/03/22

miyumiyu

小池真理子さん初読。日常的に潜む悪意、ふとしたきっかけで起こる殺意を、短編で巧みに描いている。1話目の「囚われて」から引き込まれる。ラストで突き落とされるスリルがあるのは今邑彩さんの短編だが、これは静かなラストとその後を想像してゾッとする。「路地裏の家」「天使の棲む家」「鍵老人」ブラックさがおもしろかった。

2016/03/30

じいじ

最近ひと休みしていた小池真理子、好きな作家の一人です。彼女の33作目はミステリー短篇。少々活字が小さすぎて難航したが、8篇どれもハズレなしでした。途中で止められず、半徹夜してしまった。冒頭「別れて欲しいの」と朝っぱら妻に言われてドキっとする夫。妻の殺意が怖い【表題作】。わたしは、夫をつかって昔の同級生を罠にはめる【同窓の女】が、すごく怖かったけれど面白かった。80過ぎて怖さ知れずの爺イでも、夜中にトイレに行くのを躊躇いました。恋愛小説を主に読んできた小池作品、ミステリー短篇を少し読んでみようと思います。

2023/01/18

アッシュ姉

短編の名手が鮮やかに繰り広げるサスペンス8編。日常に潜む悪意や殺意。ごく普通の人々の心の闇がもたらす静かな恐怖。少しの掛け違い、ふとした偶然が引き起こす意外な展開。全編に共通するのは、この人この後どうなってしまうの?という終わり方。結末にヒィィと驚かされ、その後を想像してヒェェと余韻も愉しめます。どれも面白く、甲乙つけがたいなか、思わず同情してしまう「同窓の女」「路地裏の家」が好み。どこか滑稽で少し怖い老人の「姥捨ての街」「天使の棲む家」「鍵老人」がお気に入り。

2016/02/19

まこみん

嫌な夫の監視からの逃避「囚われて」からラストの表題作迄全8作品、危険な一冊。「同窓の女」疫病神ならぬ疫病男を押付けられた律子のその後も気になるし、「天使の棲む家」の菊子の心仮面が怖い。「姥捨ての街」ハルは本当はきっと惚けてもいなく足も衰えてなんかいなく、もう強か過ぎる!「鍵老人」は途中のハラハラ感とイヤな感じが思わぬラストでホッとした。「危険な食卓」離婚する夫婦の騙し合い。最後に勝つのは… 解説にハズレのない短編集、とあったがその通りでした!

2016/04/02

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