ホテル・ルージュ (集英社文庫)
ホテル・ルージュ (集英社文庫) / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
パリ—サンジェルマンの裏通りに、ひっそりと佇むホテル・ルージュ。「毎年5月のこの日、ここで待っている」と言った彼が、もしかしたら…。愛のさめた8歳年下の裕二とパリに来た衿子。彼女の胸に切ない想いがこみ上げて—。瀟洒な都会のホテルを舞台に、男と女の愛の結末を描くホラー・ミステリー集。
1997/05/01
cithara
以前から落田洋子氏の絵が好きなので、本書は無条件で買ってしまった。山崎洋子氏の作品は過去に何作か読んだことがある。作風はなんとなく小池真理子氏に似ているかなとは思うけれど、小池氏の世界よりエキゾチック。目次をざっと見て「人魚」や「ホテル」など私の好きなアイテムが並んでいたので期待をふくらましつつ読了。人間心理よりも風景や小物の描写が印象的だった。たいていの作品がほろ苦い結末を迎えるのだが決して暗くならない。『ホテル・ルージュ』と『孤独な妖精』がお気に入り。ホテル・ルージュは実際のモデルがあるのだろうか?
2015/06/13
RENO
2000年9月
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