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猛き箱舟 下 (集英社文庫)

猛き箱舟 下 (集英社文庫)

猛き箱舟 下 (集英社文庫)

作家
船戸与一
出版社
集英社
発売日
1997-05-20
ISBN
9784087486377
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猛き箱舟 下 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥

「俺はあの男の様になりたい。一流の男に。」そう願った隠岐に裏切られ、捨て駒にされた香坂。後半も息もつかせぬ展開に。反政府ゲリラの収容所からの脱出劇、ゲリラからも、かつての仲間からも命を狙われる香坂。束の間の休息、そして僅かに期待させたハッピーエンドも容赦無く打ちのめされる。全編に漂う血と硝煙の匂い。そして壮絶な復讐劇。プロローグはそこにつながっていたのですね。いや~、凄かった、もう何も言えません。1200ページがあっという間でした。船戸さん、やっぱりあなたは凄かった。文句無しの5つ星です。★★★★★

2014/09/09

hit4papa

船戸与一の冒険小説は、スケールがでかすぎて日本には収まりきりません。本作品も、ほぼマグレブ=北西アフリカ諸国が舞台となっています。モロッコ、アルジェリアの情勢や、ポリサリオ解放戦線の活動を背景に取り入れているのが面白いですね。それぞれの思惑が錯綜する中、熱砂で繰り広げられる緊迫した戦闘は、映画を見ているように臨場感がたっぷりです。登場人物たちのクセの強さも著者の持ち味が良く出ています。「こんなヤツいない」というぐらい強烈な個性の持ち主がどんどん登場するのです。彼らがどのように絡み合っていくのかが見所です。

2019/10/11

ゆいまある

船戸与一の超大作冒険小説下巻。舞台はモロッコから日本へ。そしてイキったチンピラだった主人公は見ただけで誰もがビビるような超強いキャラに変化。ワンピースに出てきそうな「どん」とか音ついてそうな。サソリの毒で死ぬには何時間かかかる(アナフィラキシー起こせば別だけど)、心臓の組織は硬いのでしゃりしゃり噛めないから、とか突っ込んでたのは途中までで、繰り返される殺戮シーン(意味が見いだせない)と、蹂躙されて殺される女性の連続に、ひたすら読み終わるのを待ってた感じです。好きな人はワクワクする話なんだと思います。

2019/07/10

ひよこ

久しぶりに読了してしまうのが惜しいと思った。それくらいのめり込んだ!ゲリラ組織との戦闘から逃避行、復習劇と盛りだくさんの内容に大満足です!日本とアフリカを股に掛けた壮大な冒険小説!なのに作品からは舟戸さんが「それがどうしたの?」と言わんばかりの涼しい顔をしているような気がする!そこにしびれルゥ!憧れるゥ!

2018/03/08

HoneyBear

冒頭の雪山のシーンが凄い。西サハラ?馴染みの薄いない地域だが、未だ帰属が決まらず大西洋岸まで灼熱の砂漠が続くという。(小説は日本企業だが今や中国資本が資源の利権を漁っているだろう。)西サハラからマグレブをまたにかけた冒険行が描かれる。情景も物語もすごくドライ。乾ききったストーリー。ただ、帰国後の復讐譚は少し突飛で蒸し暑くなった。それでも読ませる。故船戸氏はこのエンターテインメント性に歴史・社会情勢への洞察を加えて後の「砂のクロニクル」「蝦夷地別件」のような重層的な傑作に繋げていったんだな。

2017/12/12

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