会津士魂 4 慶喜脱出 (集英社文庫)
会津士魂 4 慶喜脱出 (集英社文庫) / 感想・レビュー
うらなり
慶喜、容保、定敬らが逃亡のため慌てて、飛び乗った船が偶然中立のアメリカ船だったそうで、これがイギリス船だったら三人とも捕縛され、薩長に引き渡しとなったかもしれない。歴史はこのような偶然の積み重なりなのかと思う。
2020/09/16
連雀
薩長土肥から排出された維新の元勲から草莽の士までに対する評価もなかなかでしたが、幕府側の15代将軍慶喜公や、司馬遼太郎が幕臣の中でここまでか!と思わせるほどに持ち上げる勝海舟等も一刀両断に斬る爽快さがすっかり癖になってしまいます。司馬遼太郎はほぼ全巻読んでいますが、同時に早乙女貢を読まなかった自身の不明を恥じるばかりです。当時の文壇において、その両者はどんな交わりをしていたのか、していなかったのか、むしろそっちに興味が沸いてしかたないです。
2017/11/27
さっと
鳥羽伏見の戦いで大敗した幕軍は大坂城に拠って再起を図るが、すでに総大将たる徳川慶喜の姿はなかった・・。会津藩では、清河八郎や坂本竜馬を暗殺した藩内随一の使い手・佐々木只三郎や、時勢を鑑み恭順を説きながら藩主容保の大坂脱出を黙認したとされた切れ者・神保修理といった役者が散ってゆく。哀しいかな、まったく孤立無援、孤軍奮闘といった言葉が似合う。
2012/05/06
東森久利斗
士魂の欠片もない不甲斐なさ、危機時のリーダーに必要な資質が欠如。暗君、愚将をリーダーとして選ぶしかなかった日本の悲劇。己の命欲しさの恭順、優柔不断、説明責任能力ゼロ、現場無視、責任放棄、敵前逃亡。プライド高く打たれ弱い、腰抜け、現代の政治家に通ずる、典型的なエリート意識の官僚主義的ていたらく。古今東西、同じ。敗者の生きざま、言い訳を通して、近代日本が如何なる犠牲のうえに成立し、負債として現代に受け継がれているか。膨大な文献、史書を通してその実相に迫る。
2024/01/11
tenma
鳥羽・伏見の戦いまでがあっと言う間で、この先13巻までどう描いていくのだろうと思ったが。。。▼水戸(こちらは天狗党以来内乱状態)を除く、紀州や尾張などの親藩・譜代大名がなぜこうもあっさり徳川宗家を見捨てたのか。書き方は悪いが、会津がババを掴まされたのは確かだ。
2013/06/24
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