あなたから逃れられない (集英社文庫)
あなたから逃れられない (集英社文庫) / 感想・レビュー
じいじ
二転三転する小池真理子女史のラブ・サスペンスは、読みはじめの期待をはるかに超えて面白く愉しめました。夫の目を盗んで10歳年下の青年と火遊びに興ずる主人公夫婦の妻。自分がいるはずもないところに「いた」と証言する人間まで出てきます。また、小池小説には珍しい四件もの殺人事件まで飛び出します。綿密に練られた夫の駆け引きと作戦。小池真理子の推理小説を、存分に堪能させていただきました。
2021/10/04
Take@磨穿鉄靴
「あなた」って誰だろう。誰から逃げようとしてるのかなと考えながら読み進める。読み終えても「なるほど!そういうことか!」と言うような事も無くなんとなく終わる。「美しい、美しい」と言う描写ばかりで恭一の本質的な魅力もあまり伝わってこなくて少し残念。タイトルが少しハードルを上げてしまった。ただ森遥子氏の解説は面白かった。★★★☆☆
2018/07/19
mr.lupin
小池真理子さんの著書四冊目読了。かなり昔の作品のようだが特に古さを感じることもなかった。画廊経営者の夫を欺いて別荘で恭一と過ごす人妻の比奈子。そこに不意に訪ねて来た少女。そして彼女の突然の死が謎めいた事件を呼び起こす。不倫の愛に溺れた比奈子を追い詰める脅迫者。また新たな殺人事件が…。読みやすく最後は意外な展開で楽しめた男と女のラブサスペンスであった。 ☆☆☆☆☆
2021/09/26
ぐうぐう
どうやら『あなたから逃げられない』は、小池真理子の初めての長編ミステリのようだ。1985年のことである。にしては、かなり大胆で、変化球の効いた展開に驚かされる。小池の初ミステリに対する意気込みが、ビシバシと伝わって来るのだ。サイコサスペンスにも、ホラーにも転がっていけるストーリーを、しかしミステリの枠に収めているのも、小池のこだわりが伝わってくるし、のちにサイコサスペンスやホラーも発表する、その萌芽がすでに見て取れる。(つづく)
2019/10/24
赤い肉球
再読です。1989年3刷。ってことは、26年前に初読み。真理子さんの初推理小説作品。実は私の小池真理子デビュー作品でもあります♪はぁ、全く内容を覚えて無かった。犯人が最後までわからなくって、えっ!こんな展開だったっけ?と唖然とした。ここまでよく計算してストーリーを考えたもんだ、と感心した次第です。ずっとエッセイばかり書いていて、いきなりこんな手の込んだストーリーを考えたなんてね、凄いの一言。裏話を書いてくださった森瑶子さんの解説も面白かった。
2015/06/29
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